過酷な労働条件に伴い各地で深刻化している産科医不足、それに伴う周産期医療に関して、舛添要一・厚生労働大臣は10月17日に開かれた参議院予算委員会で「次期の診療報酬改定で見直しを確実に行っていく決意」と述べた。来年4月の診療報酬改定をめぐっては現在、中央社会保険医療協議会で改定項目の具体的な検討が進められているが、厚労相が国会で明確に答弁したことで、産科医療の診療報酬引き上げが確実な状況になった。
産科医不足や周産期医療の在り方を取り上げた渡辺孝男議員(公明党)の質問に答えた。
舛添厚労相は、2002年から04年に掛けて産科医が440人減っていることを示し、「各地域で産科の医師不足が深刻になっていることは確か。現場の声に応じて一つひとつ対応していく必要がある」と答弁。その上で「(産科医の)非常に過剰な労働条件を、いかに改善するか。診療報酬の見直しを含めてやりたいと思っている」と語った。
また、妊娠の後期から新生児の早期まで母子の健康を守る周産期医療のネットワークに対し、舛添厚労相は、本年度中に岐阜県と鹿児島県、来年度には奈良県と佐賀県で総合周産期医療センターが整備され、残るのは山形県と宮崎県になるという状況を紹介。「このネットワークを確実にやりたい。未整備の県についてもネットワーク化していくということで全力を挙げたい」と述べた。
これらを受け、渡辺議員が「産科医療に対して、診療報酬上での評価を改善する方向で見直しが行われているが、緊急の母体搬送の受け入れが円滑に行われるよう、診療報酬において評価する必要がある」などと、産科医の待遇改善について追及。
舛添厚労相は「母体搬送をきちんと受け入れてもらえないと、助かる命も助からない。現在、診療報酬の改定に向けて中医協で議論を重ねているが、次期改定で必ず検討する重要事項として取り上げたい。中医協の議論を踏まえ、診療報酬の見直しを確実に行っていく決意だ」と強調した。
更新:2007/10/18 キャリアブレイン
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