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丸刈りにして会見に出席した亀田大毅だが、終始無言のまま2分ほどでJBC関係者に連れられて退席する
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11日のWBC世界フライ級タイトルマッチで反則を連発し、1年間の出場停止処分を受けた亀田大毅(18=協栄)とトレーナーの父・史郎氏(42)が17日、東京・文京区の日本ボクシングコミッション(JBC)を訪れて謝罪した。直後に会見に臨んだが、史郎氏は試合中の反則指示を否定し、丸刈り頭の大毅も終始無言。暴挙にまみれた世界戦の謝罪と事実説明が不十分なまま、会見は10分足らずで打ち切られた。
【内藤VS大毅プレーバック】
頭を下げた。「迷惑をかけて申し訳ありませんでした」と謝罪の言葉も口にはした。ただ、果たして本当に反省しているのか疑問が残る会見だった。11日の世界戦以降、初めて公の場に姿を見せた史郎氏は会見中、終始下を向いたまま。16日の夜に自ら丸刈りにしたという大毅も、世界戦の時とは別人のように憔悴(しょうすい)した表情。自分が話す順番になってもうつむいたままで、史郎氏が「大毅、大毅」と発言を促しても無言を貫いた。「精神的に参っている」との理由で、JBCの職員に抱えられるようにわずか2分で退席。愚かな反則に走った理由が本人の口から明かされることはなかった。
週刊誌やワイドショーを閉め出して始まった会見。狭い会場には約50人の報道陣が詰めかけたが、史郎氏は質問者を何度もにらみつけた。自身に無期限のセコンド・ライセンス停止、大毅に1年間のボクサー・ライセンス停止処分が科されたことには「処分が出たものは仕方がない」と話したが、反則については「指示はしていません」と否定。テレビの集音マイクが反則を指示する史郎氏の声を拾っていたにもかかわらず「後はどうとらえようと、そっち側の自由やけど」と開き直ったような発言までした。不満そうな口調には、わが子が故意の反則を連発したことへのざんげの念は感じられなかった。
ボクサー生命が危険にさらされるほどの反則を受けた王者・内藤への謝罪の言葉もなかった。同席した協栄ジムの金平会長がフォローするように「日をあらためて考えてます」と繰り返しただけ。会見に先立って行われたJBCへの訪問でも、史郎氏は「今回に関しては申し訳なかった」と過去の処分を反省したとは思えない謝罪だったという。関係者によれば、史郎氏の謝罪は今回が人生初。一世一代の決断だったが、真実を明かさず、誠意に欠けた会見は、すべての人を納得させるには到底至らなかった。
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