2011年春の九州新幹線(博多-鹿児島中央)の全線開通に合わせ、山陽新幹線との直通運転について検討してきたJR西日本とJR九州は17日、新大阪-鹿児島中央間で乗り換えなしの直通列車を運転することで正式合意したと発表した。新大阪から熊本までは約3時間20分、鹿児島中央までは約4時間で結ばれる。現在よりも1時間前後短縮され、飛行機とのシェア争いが激しくなりそうだ。
九州新幹線は04年に新八代-鹿児島中央(約137キロ)で部分開業。現在、新八代-博多間で工事を進めている。
直通列車は、九州区間のホームの長さなどから8両編成。本数は上下線とも1時間に1本程度となる見込み。列車の愛称や停車駅は、これから調整する。また九州区間は急坂が多く、山陽新幹線車両では上りきれないことや、山陽区間の最高時速300キロに対し、九州新幹線「つばめ」車両(800系)は同260キロとやや遅いことから、両社は乗り入れ用として東海道・山陽新幹線の最新型「N700系」をベースに、高性能の新型車両を新たに製造する方針。費用は西日本が約1000億円、九州が400億~500億円を負担する。
一方、空路をみると、大阪(伊丹空港)と熊本、鹿児島両空港間は現在、いずれも1時間10分前後。しかし両空港から市街地までは、それぞれバスで1時間近くかかる。搭乗手続きや乗り継ぎ時間などを考慮すると、新幹線も飛行機も所要時間に大差がなくなり、両社は「シェア争いでも十分対抗できる」とみている。【小林祥晃】
毎日新聞 2007年10月17日 23時06分 (最終更新時間 10月17日 23時25分)