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リタリン:うつ病削除を厚労省部会が了承

 乱用が広がっている向精神薬「リタリン」について、厚生労働省は17日、薬事・食品衛生審議会の部会を開き、製造販売元の「ノバルティスファーマ」(東京都港区)が申請した適応症からうつ病を削除することを了承した。近く審議会薬事分科会に報告され、了承されれば今月中にも正式承認される。承認後はナルコレプシー(睡眠障害)にしか使えなくなる。処方できる医師も登録制にするなど厳しい流通管理策が併せて導入されることになり、乱用への有効な歯止めとなりそうだ。

 部会では、小児期における「注意欠陥多動性障害(ADHD)」の国内初の治療薬として「ヤンセンファーマ」(千代田区)から承認申請が出されていた「コンサータ」についても論議。リタリンと同じ塩酸メチルフェニデートが成分に含まれ依存性が強いとして、同様の流通管理策を条件とすることで了承された。リタリンと同様に薬事分科会に報告し、承認される見通しだ。

 両社が部会に報告した流通管理策によると、両社はそれぞれ専門医や弁護士ら外部の有識者による第三者委員会を設置。ナルコレプシーとADHDの診断能力のある医師や医療機関だけが処方できるようにし、医師名などをリスト化して管理。調剤薬局も同様の名簿を作り流通段階でもチェックを徹底する。ノバルティスファーマには来年1月1日までに流通管理策を実施するよう要請。ヤンセンファーマに対しても、コンサータが発売されるまでに整備するよう求めた。厚労省は「麻薬並みの厳しい流通管理になる」と話している。

 一方、この日の部会で、日本精神神経学会などから、リタリンについて末期がんの患者の抑うつ症状の改善薬として新たな適応を求める要望も出された。しかし、「現段階では科学的な根拠に基づく治験(臨床試験)報告が乏しい」などの意見があり、認められなかった。このため今後、関係学会で治験を進めることが確認された。【精神医療取材班】

毎日新聞 2007年10月17日 22時53分

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