« 『蘇るPC-8801伝説 永久保存版』、amazonでの予約開始! | メイン | ヘックスからの脱却、『大戦略VIII』 »

2006年02月15日

『コンプティーク』という雑誌

 ヤフオクにて『コンプティーク』創刊号を入手しました。この数年間ちょっとづつ買ったり貰ったりして、旧『コンプティーク』が全冊揃うまであと10冊ほど。まだまだ先は長いですね。昔、創刊号から買ってたのになあ……。
「パソコンと遊ぶ本」と銘打たれた角川書店のパソコン・ゲーム雑誌『コンプティーク』は、『ザ・テレビジョン』の別冊として1983年末に創刊されたました。1984年1月号だったにも関わらず、刊行が1983年内だったため何故か表紙に「1983」の文字があったりします。当初は隔月刊で刊行され、当時はまだプラットフォーム毎の住み分けがされていなかった家庭用ゲーム機用ゲームの記事も数多く掲載されていました。特に、『ゼビウス』の無敵コマンドや『スーパーマリオブラザーズ』のW9など裏技特集が掲載されるなどファミコンゲームの情報を扱っていたため低年齢層の読者が多く、1985年7/8月号にて後の福袋の前身となる「ちょっとHなソフト大特集」が掲載された際にはPTAのおばさん達が目をムいて大騒ぎしたようです。
 月刊化は1986年1月号。「闘うパソコンゲームマガジン」という有名なキャッチコピーが掲げられたのはこの時で、袋綴じの「福袋」が登場したのもこの号からです。

 テレビ情報誌の別冊というその出自からか、表紙写真や記事中に芸能界やアニメなど他メディア絡みの話題が多く、後に角川グループのお家芸となったメディアミックス路線は、『LOGiN』などの先行誌の持っていたマニアックな空気から、よりライトな消費型オタク(オタッカーという呼称が記事中で多用されました)へと読者を誘導する原動力となりました。なお、『神皇記ヴァグランツ』などのコミック連載からコミック雑誌『コミックコンプティーク』(後に『コミックコンプ』)が、『聖エルザクルセイダーズ』などの小説連載から『ドラゴンマガジン』(発行元の富士見書房は角川書店の子会社)が、それぞれ派生しています。安田均氏率いるグループSNEによる『ロードス島戦記』を筆頭とする一連のTRPGリプレイ連載や、レックカンパニーの黒田幸弘氏による『RPG千夜一夜』などの連載、『トップをねらえ』『ロボクラッシュ』などの読者参加企画などからこの雑誌からTRPGやPBMへと誘導されたパソコニューザも少なくありませんでした。『マイコンBASICマガジン』と同じく、ゲームブックもどきのペーパーアドベンチャー(それもHなやつ)企画もあったように記憶しています。
 1992年の、いわゆる角川書店のお家騒動の際、編集に携わっていたメディアオフィスのスタッフ全員が退社するという事態に至り、スタッフ総入れ替えとなった『コンプティーク』はここでいったんリセット、以後何度かのリニューアルを経て、この2006年2月で創刊200号を迎える長寿雑誌となりました。『コンプティーク』の変遷については、角川書店の『PC-9801ゲームリバイバルコレクション』で書き下ろした「コンプティークの歴史を振り返る」という記事において詳しく解説したことがありますので、興味のある方は探してみてください。

投稿者 RPF : 2006年02月15日 21:18

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://retropc.net/mt/mt-tb.cgi/276

コメント

>(やばい、この所ここの話題は俺のツボにはまっちまう)

 現在のネタと絡まない「懐かしい」系の話題はなるべくやらない、という5年越しの封印を解除しましたので、これからばんばん溜め込んだネタを出しますよー。

投稿者 Molice : 2006年02月15日 23:03

>幻魔大戦
そう言えばそうでした。野暮な突っ込み失敬。
……昔は、「福袋」の総集編が角川でなく富士見書房から出ていたのを、いたく疑問に思ったものでした(と、話を逸らす

投稿者 CPU司 : 2006年02月15日 22:58

>当時、コンプティークという輸入ソフトや海外ソフトの移植作品などを扱っているメーカー
これコニカ?コニシルク(小西)・コンプティークでしたっけ?
角川コンプティークとは関係なかったはずぅ。
おじゃましました。
(やばい、この所ここの話題は俺のツボにはまっちまう)

投稿者 のむらー : 2006年02月15日 22:58

>コンプティークは、カムイの剣のPC版出してましたから

 経営的に関係がある必要はないかと。『幻魔大戦』のゲーム版はむしろアスキーと親しかったポニカですし。

投稿者 Molice : 2006年02月15日 22:24

コンプティークは、カムイの剣のPC版出してましたから、これで角川と何の関係もなかったりしたら、むしろそっちのほうが驚異でしょうなぁ。

投稿者 CPU司 : 2006年02月15日 22:11

 表4がアップルコンピュータジャパン株式会社によるAppleIIeの広告ですね。なお、記事中にもアップルコンピュータジャパンの福島社長(当時)のコメントが載っていたり、創刊に際してデータソフト、ブルーダボンド(ブローダバンドだよな?)、キャバリエ、データモストなどなど、海外のソフトハウス社長からの祝辞が載っています。
 当時、コンプティークという輸入ソフトや海外ソフトの移植作品などを扱っているメーカーがありましたが、やっぱり何か関係があったのでしょうかね。
……JCGAの忘年会でメディアワークスの佐藤社長(元コンプ編集長)に御挨拶する機会があったのですが、その折に聞いてみれば良かった。(汗

投稿者 Molice : 2006年02月15日 21:54

マッキントッシュの広告が出稿されてましたよね?
確かカラーで。バッグで運んでなかったかなぁ…。

投稿者 えむふる : 2006年02月15日 21:44

コメントしてください

サイン・インを確認しました、 . さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)

(いままで、ここでコメントしたとがないときは、コメントを表示する前にこのウェブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)


情報を登録する?