黒部市民病院(富山県黒部市三日市)で00年に手術を受けた60歳代の主婦が死亡したのは、執刀医が電気メスの使い方を誤ったためだとして、遺族が市に慰謝料など総額約6350万円の損害賠償を求めた訴訟は16日、富山地裁(佐藤真弘裁判長)で和解が成立した。市が和解金2900万円を支払う内容で、市は遺族に「遺憾の意」を表した。
訴状などによると、主婦は脳腫瘍(しゅよう)による水頭症と診断され、00年8月30日に同病院で内視鏡を使った手術を受けた。その際、電気メスで動脈を損傷して大量出血し、意識が回復しないまま9月1日に死亡した。遺族側は「病院は、開頭手術に移行する準備や慎重な検査を行う注意義務を怠った」と主張していた。
市民病院は現在も過失を認めず、「適正な医療を行った。長期化を防ぐために裁判官の勧告を受け入れることにした」としている。【茶谷亮】
毎日新聞 2007年10月17日