うつ病などの治療薬として使われ、若者を中心に乱用が問題になっていた向精神薬「リタリン」について、製造・販売元の「ノバルティスファーマ」(東京都港区)は17日午前、適応症からうつ病を削除するよう、薬の安全性を審査する独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(千代田区)に正式に申請した。製薬会社が自ら適応症の削除を求めるのは極めて異例。同日夕の厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会で削除を承認するかどうかが議論される。
同社によると、うつ病ではない患者に医師が安易にリタリンを処方するなどして乱用が広がっていることを重視。世界でリタリンがうつ病に使われているのは日本だけとされ、国内でも副作用の少ない抗うつ薬が発売されているため、リタリンをうつ病に使う必要はなくなったと判断した。
うつ病への適応削除が承認されればリタリンが使えるのはナルコレプシー(睡眠障害)だけとなる。同社は乱用防止策としてリタリンの流通管理策についても同部会に提出する。【精神医療取材班】
毎日新聞 2007年10月17日 12時20分 (最終更新時間 10月17日 12時27分)