奥さま聞いてよ！妻を愛す恋愛体質夫の生活　　　　　　変なタイトルだけど意外にも長編私小説なのです

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奥さま・・・筆者一口メモです。

このテーマを書いたような書かなかったような・・・いつも周囲に私が

漏らしているので記事にしたかどうかさえ忘れてしまいました。重複

を恐れず、今感じていることをそのまま書こうと思います。

こんなこと書いちゃうとますます敵を増やしてしまいそうですが・・・

こんなこと書いちゃうとますます冷たい人だと思われそうですが・・・

どうか私に送る年賀状に「赤ん坊アップ写真」を使わないで下さい。

気持ちはよくわかります。さぞや愛おしいのでしょう。世間の皆さんに

ご披露したいのでしょう。でもそういう欲求はせめて３歳あたりを過ぎて

からにして下さいませんか。もっと言えばお子さんだけの写真を葉書に

印刷するのはもうやめませんか。

あなた方が結婚した際に夫婦揃って微笑んでいる写真はいいのです。

あなた方と親しくしていた私は、あなた方の最近の表情を見ることが

出来て大変幸せです。近況を知らせてくれてありがたく思います。

なのにお子さんが出来たら・・・なぜあなた方ご本人たちの姿が消えて

縁もゆかりもないサルにしか見えない赤ん坊のアップ写真だけになっ

てしまうのですか。さすがに３歳を過ぎた頃になれば、親御さんの面影

も宿り始めます。お子さんの顔からあなた方の顔を透かして想像する

楽しみもなくはありません。でも・・・やはり本来の友人である親御さん

の姿がなくては、まったく面白くもなんともありません。せめてお子さん

と一緒に写っている写真にして頂けませんか。

申し訳ないのですが、私はあなた方のお子さんがどうなろうと知ったこと

ではないのです。一般的な意味で子供は可愛いと思います。標準的な

意味で知り合いの子供はほんの少し特別視は致します。でもその子供

のことを愛したりなんて出来ませんし、成長具合を毎年目で追いたいな

なんて思いません。子供の成長よりも本来の友人である親御さんたちの

老化具合の方がはるかに興味がありますし、話の種になります。

生まれたての赤ん坊のアップ写真。優しくない人だとか変人だとか言われ

たくないので、公の場では「うわーかわいいね♪」なんて心にもない言葉を

放つこともありますが、内心そんな感情は微塵もありません。サルにしか

見えないのです。他のサルと区別がつかないのです。親であるあなた方に

とっては特別な存在のその赤ん坊が可愛くてたまらないのでしょうけども、

なんら愛情を抱いていない私にとってはただのサルなんです。

せっかく１年に１回の定期的な連絡手段なのです。年賀状でしか交流が

ない関係だってたくさんあります。なのに本人の姿じゃなくてサルを見せ

されてしまってはがっかりです。それもそういう事例があまりに多いので

もう食傷気味･･･辟易しているのです。

私は幼い子供たちと仲良くなった覚えはありません。子供たちと年賀状で

交流しているつもりはありません。なのになぜ子供だけの写真を送って

いらっしゃるのですか。

そもそも子供が生まれてすぐの写真を職場に持ってくるとか、そのまま

お子さんを抱いて連れてくるとか・・・。本人は「可愛い」と周囲から言って

ほしいからなのでしょうけども、実際生まれたての赤ん坊が客観的に見て

可愛い事例は際めて稀です。みんな冷たい人だとは思われたくないから

「うわーすごく可愛い！」と褒めそやすでしょうけど、内心はさほど可愛く

ないと思っている人も多いのですよ。しわくちゃの赤い小人が可愛らしく

見えるのは、髪が生え揃って表情が豊かになって以降でしょう。

得てしてこういう人たちは、お子さんが出来たことで舞い上がってしまい、

必要以上にはしゃいでしまいがち。様々な場所にお子さんを同伴したり

写真を持ち歩いてここぞとばかりにご披露したりします。いいんですよ、

別にはしゃぐのは。でも時にはそういう行為が思わぬ部分で他人を傷つ

けている可能性がある事実は知っておいてくれませんか。

私の周囲には子供がほしくてもなかなか出来ない夫婦や、医学的に子供

を諦めた夫婦がかなりたくさんいます。そういう点では恵まれている私でさえ

違和感を感じるのです。子供に恵まれない夫婦にとって、あなたのはしゃぐ

姿はどう映るでしょうか。あなたは今日はしゃいでるこの場に、そういう境遇

の人物がいることを知っているはずですよね。あなたは年賀状を送るあの

夫婦が、長年不妊治療で苦労している噂を聞いているはずですよね。なの

に、なぜそんな無神経なことが出来るのですか。

お子さんが出来てうれしいのは理解できますから、どうかその喜びは身内

の中だけにするか、同じ境遇の仲間たちだけの時にとどめてはいかがで

しょうか。あなたの喜びがそのままイコール相手の喜びだとは限らないの

です。

こんなことを書いてしまうと、子育て中の奥さまや、既に慣習としてお子さん

だけの写真を年賀状に使っていらっしゃる奥さま、それを良しとして受け入れ

ていらっしゃる奥さまから総攻撃を受けそうな気も致しますが・・・そんなに

無理してお子さんを露出する必要はないと思いますよ。少なくとも私は冷めた

目でそういう方々を眺めて過ごしております。私のような人ってけっこういるみ

たいです。どうかお気をつけて。

なお、お子さんの写真以上に迷惑なのがペットの写真。犬好き、猫好きなの

は大変よろしゅうございますが、自分で飼ってるわけでもない犬や猫の写真

なんて、見たってなんら感動致しません。犬や猫と交流するつもりはないで

すし、万が一犬や猫が死んだからって連絡しないで下さい。うるさいだけです。

私が友人として付き合っているのは犬や猫じゃなくて飼い主のあなたですよ。

獣でしかない犬や猫の近況より飼い主であるあなたの近況を教えて下さい。　

どうか私に送る年賀状に「ペットだけが写る写真」を使わないで下さい。

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奥さま聞いて下さい・・・。

幼かった私を笑って下さい・・・。　

そして私を叱って下さい・・・。　　

冬休みが終わり高校の最終学期が始まりました。

私はあまりにも受験勉強に没頭したために、その事実だけで妙な自信が

ついてしまっています。自分自身の能力を正確に把握することなく、周囲

に流されて、変な自尊心だけが心の中で成長しつつありました。

今から考えれば当時の私の実力は東京の一流大学に合格できるレベル

ではありません。かろうじて地元のいわゆる三流私大に引っかかるかどう

か、という状態でした。それにしても高校時代を放蕩三昧で過ごしていた

私にしてみればかなり上出来で、本来は大学受験そのものさえ覚束ない

レベルの学力だったのが本当のところです。やっと人並みの高校生になる

ことができた・・・そんな程度の進歩しかしていなかったのが現実なのです。

「おはよう！○○くん」

教室に入ると久しぶりに見るＵ野の笑顔がそこにあります。

「あ・・・おはよう・・・」

私は２学期の終わりあたりからほとんど他人と口を聞かない生活を送って

いたため、妙にＵ野の笑顔がまぶしく感じます。人慣れしていない状態の

私は、彼女に対して思ったような表情で思ったような言葉を返すことができ

ず、ぎこちない顔で少し口ごもってしまいました。　　

「なんだか○○くん、やつれてない？？」

「そ、そうかなぁ・・・」

「目も赤いし」

「うーん・・・それなりに勉強頑張ったからなぁ・・・元々が遅れてるし」

「でも、ちょっと頑張りすぎなんじゃない？」　

「いいんだよ、俺レベルの馬鹿にはこれくらいがちょうどいいんだ」

「あなた馬鹿なんかじゃないでしょ！！・・・身体壊したら元も子もないよ」

「ありがとう・・・わかってる」

しばらく他人の親切な言葉に接していなかった私は、Ｕ野のありふれた

せりふにも涙が出そうになるくらい感動してしまっています。もちろん、

それを相手に悟られぬよう、必死に平常心を装っています。

「○○くん、どこ受けることにしたの？」

「うん、けっこうありがちな大学ばっかだよ」

私は予備校の講習で周囲が騒いでいた東京の私大をいくつか受ける

予定でいました。その大学のカリキュラムや歴史を知っているわけでも

なく、単に受験生たちに人気がある大学に、そのまま願書を出していま

した。極めてミーハーな選び方です。

「Ｗ大、Ｋ大、Ｊ大、Ｍ大、Ｈ大、Ｎ大それぞれ１学科ずつかな・・・」

「けっこう受けるんだね・・・」

「うん・・・余裕ないからね、学力的に」

「受験料だけでもバカにならないよね」

「それは耳が痛いなぁ・・・しばらく親には頭が上がらないよ」

「けっこう名門大学ばっかりじゃない？」

「そうかなぁ・・・」

「こんなこと言うの縁起でもないけど・・・Ｎ大しか受からなかったら実際入学するの？」

「う・・・ん（困惑）」

「Ｈ大だったら？」

「悩むところかなぁ」

「じゃあＭ大だったら？」

「かなり悩む・・・」

「入学する気ないなら受けなきゃいいじゃん・・・」

「でも・・・何だかすごく不安でさ」

「・・・・・・」

「後になったら入学する気になるかもしれないし」

「ふーん・・・変なの・・・」

奥さま・・・私は身の程知らずのとんでもないことを言っているのです。Ｍ大

だって、Ｈ大だって、Ｎ大だって伝統ある名門大学です。仮にも暴走族だった

私が現役合格して入学を躊躇するようなところではありません。ところが私は

変な自信と自尊心に縛られてしまい、自分の実力以上の高望みをするように

なっていたのです。ただ、内心自分の実力の本当のところはわかっていたの

でしょう。それが激しく不安感を掻き立て、必要以上に出願する大学数を増や

す結果になっていました。本当に愚かな若き日の私です。　

「それに・・・Ｋ大とかＷ大とかはイチかバチかだけど・・・」

「ははは・・・ギャンブルみたいね（苦笑）」

「Ｍ大くらいなら受かるような気がするんだ」

「・・・そんなにＭ大を馬鹿にしてて大丈夫？？」

「・・・・・・」

「けっこうあそこだって難しいよ、学部によっては」

「・・・そうかなぁ」

（そうだよ！）　

「学部はどこにするの？」

「政治経済学部政治学科・・・」

「それってかなり難関だよ！？」

「そうなの？？」

「そうだよ・・・もっと楽な学部もあるのに」

「・・・・・・」

「なんで政治学科なの？」

「うん・・・ちょっと政治に興味があってさ・・・」

「政治家にでもなる気？」

「そこまでは考えてないけど・・・昔から興味はあったんだ」

「びっくりだわ。あなたがそんなこと言うなんて」

「うん・・・ずっとこんな気持ちは忘れてた」

「だったら本気で頑張らなきゃだね♪」

「うん・・・出来る限りやってみるよ」

奥さま・・・何度も言いますが私の実際の学力は大学受験をすることをやっと

許される程度のものでした。しかし私は受験をある種のギャンブルだと勘違い

していた部分もあり、たくさん受ければ何とかなると思い込んでいるフシがあり

ました。予備校で配布される模試の結果に記載されている「合格判定」という

確率の数字があります。その数字は当時限りなく小さなものでしたが、私に

してみれば「可能性が低いがうっかり受かることもあり得る」という数字にも

見えていたのです。そうした勘違いがどんどんふくらみ、受験間近の私は

とんでもない勘違い受験生になりつつありました。自身の過大評価です。

その日、自宅に帰ると私は赤本と呼ばれる志望大学の過去問題を集めた

問題集を必死になって何度も読み返しました。そしてそれからそんな毎日

が飛ぶように過ぎていきました。恋するＪのこともすっかり忘れて・・・。　

１月はあっという間に終わりました。２月の中旬から私の志望大学の試験が

連続して実施されます。いったん試験が始まると、ほぼ毎日試験を受ける形

になります。私は東京の新宿の片隅にある小さな汚いビジネスホテルを予約

して、試験期間中は泊り込むことにしました。往復交通費を考えればはるか

にその方が安くついたからです。

志望校の中ではＪ大学が最初の試験です。その頃になると、受験校だった

私の通う高校は登校するもしないも自由でした。受験生に最大限配慮した

システムで、欠席したからといって何か不利益をこうむることはありません。

自分のプランに沿って出欠予定を担任に知らせておけばいいのです。私は

２月中旬から下旬まで東京に滞在する旨を担任のＴ先生に伝えておきました。

２月１０日の朝、私はいつもより早く起きて荷物をまとめます。宿泊準備はも

ちろんですが、現地で受験勉強するため最低限の参考書類は欠かせません。

大きな荷物を抱えて家を出た私は、鍵がちゃんとかかっているか何度も確認

して、いつもの緩い坂道を下りていきます。２月初旬ですから真冬です。吐く

息は白く色を変えて上空へ散っていきます。

「少し遅れちゃったな・・・急がなきゃ・・・」

既にチケットを確保してある新幹線の発車時刻まではまだ余裕がありますが、

途中の交通経路で何が起こるかわかりません。そもそもこういう人生を懸ける

ときに、ぎりぎりの時間で行動するのはどう考えても得策ではありません。私

としては新幹線の駅で少し時間を潰すくらいの余裕を持つつもりでいました。

「○○クンっ！！」　　

自宅最寄り駅の前まで来ると、いきなり脇道から飛び出してきた人物が私の

名前を呼びました。その声は・・・。

「Ｊちゃん！！？？」

「よかった・・・会えないかと思った♪」

「えっ！？えっ！？・・・いや・・・その・・・ど、どういうこと！？」

「今日、東京に行っちゃうって聞いてたから・・・待ってたんだ♪」

「・・・い、い、いや・・・な、な、なんで？？」

「はい♪これっ♪」

事情がまったく把握できぬままうろたえる私をよそに、彼女はピンク色の

包装紙で飾られた小さな四角いものを私に手渡してきます。

「な、な、なに？これ・・・」

「これを渡したくてずっと待ってたんだ♪」

「・・・ずっと？？朝から？？」

「うん・・・けっこう朝早くから・・・」

「ど、どうしちゃったの？？君ともあろう高貴な女性が・・・」

「だって・・・今日しか渡す日がないし・・・」

「･･･何のこと？」

「学校だと何だか気まずいし・・・」

「だから・・・何のこと？これナニ？」

「今日から東京に行ったらしばらく帰ってこないんでしょ？」

「ああ・・・そうだけど」

「･･･鈍いなぁ・・・察してよ」

「・・・・・・（困惑）」

「１４日も会えないんでしょ？」

「・・・・・・」

「バ・レ・ン・タ・イ・ン！！」

「あ・・・（絶句）」

「チョコ！！あなたにあげたかったの！！」

「あ・・・あ・・・」

「もらってくれるでしょ？」

「・・・・・・」

奥さま・・・私は驚きのあまり声が出ませんでした。と同時に女性の心が

まったく理解できない自分の不甲斐なさを痛感していました。あの事件

以来、Ｊとは一切言葉を交わしていません。その後彼女がどうなったのか

は気になるところでしたが、敢えてこちらから連絡をすることを避けていた

のです。もちろん彼女から連絡があったわけでもありません。気まずい

状態で没交渉になったのですから、少なくとも短期的にはこうして直接

会話する機会があることなどまったく予想していなかったのです。彼女が

Ｔ村やＹ田との爛れた関係をどう処理したのかもまったく知らぬままです。

それが・・・いきなり目の前に現れて「バレンタインデー」のチョコを手渡そう

としているのです。あまりに信じられない展開だったために、私はそれを

現実のこととして認識するのに相当時間を要したのです。

「なんで･･･俺なんかに？？」

「察してよ・・・」

「・・・・・・」

肝心なことはぼかして言ってくれません。

「義理・・・だよね？」

「義理なんかだったら、こんな朝早くから待ち伏せし・ま・せ・ん！！」

「・・・・・・」

「早くカバンにしまってよ♪」

「・・・義理じゃないってことは・・・もしかして本命？？」

「察してよ・・・」

やはり肝心なところだけは絶対に口にしてくれません。何をどう察しろと

言うのでしょう･･･この魔性の美少女は。

「わかった・・・とりあえず・・・ありがとう」

「うん、受験頑張ってきてね！！」

「ありがとう」

「これから新幹線でしょ？」

「うん・・・」

「東京から今晩電話もらえる？」

「電話？？」

「うん、ちょっと話したいことがあるんだ♪」

「わ、わかった・・・」

奥さま・・・あれだけタンカをきったにもかかわらず、私はＪの勢いに飲まれて

しまい、彼女の言うがままに答えを返してしまっています。「君とは会わない」

と言い切ったのですから、本来ならばせめて大学生になって東京で再会する

までは、こんなに親しく話すべきではないのかもしれません。しかし、他人と

触れ合うことがめっきり減っていた私にとって、元来恋心を抱いていたＪが、

こうして唐突に現れて大胆なアプローチを仕掛けてきてしまっては、とても

拒否できる精神状態ではなかったのです。もしかすると彼女はそんな私の

心の中を見透かしていたのかもしれません。それくらいの男女の修羅場は

くぐっていたはずですから・・・。

「じゃあ、電話待ってるね♪」

続きは次回にさせて頂きます。

またのお越しを心よりお待ち申し上げております。

だって・・・いまだに胸が痛みますから・・・。　

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みんなのテーマ：恋愛☆通過点

※10/12　07：30再追記

更新が遅れてしまいまことに申し訳ありません。昨日仕上げを

するまでのエネルギーがなかったので更新を断念しました。

本日正午頃の更新は確実にお約束いたします。午後にまた

お越し願えればと存じます。

※10/11　12：38追記

本日から社会復帰していますが、本復には至っていません。

無理のない作業を進めますので、今晩あたりまでご猶予を

頂戴できればと思います。間があいてしまったので前記事

を再読しておいていただければ幸いです。

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奥さま・・・お詫び致します。

既に予告記事を出してしまいましたが、その直後に激しい高熱の

ために足腰が立たなくなってしまいました。作業は途中で止まった

ままです。これまで２回の追記でお伝えはしましたが、追記ですと

読まないまま「なぜ遅れてるんだろう？」と思われる奥さまが多い

かもしれないと考えまして、こうして独立記事でお詫びをすることに

致しました。徐々に回復しそうな気配が見えてきています。明日に

は何とかしたいと思っていますので、どうかお許し下さい。

この記事をもって今日の体力は使い果たしました。

奥さまにおかれましても健康にはご留意下さい。

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