16日午後6時6分ごろ、兵庫県加古川市別府町新野辺(べふちょうしのべ)の水間(みま)一さん宅前で、水間さんの孫で同市立別府小2年の鵜瀬柚希(うのせゆずき)ちゃん(7)が倒れているのを家族が見つけ、消防に通報した。救急隊員が現場に駆けつけ、県立こども病院(神戸市須磨区)に搬送したが、柚希ちゃんは胸などを刺されており、約1時間40分後に死亡した。県警は殺人事件とみて、加古川署に捜査本部を設置した。
調べなどによると、柚希ちゃんは右胸と腹の計2カ所を刺されており、死因は失血死とみられる。玄関先に頭を向け、うつぶせで倒れていた。玄関先には複数の血痕があった。
柚希ちゃんの母江梨香さん(27)は夫と離婚し水間姓を、柚希ちゃんは父方の姓を名乗っていた。3人姉妹の次女で、母親と柚希ちゃんら姉妹は母親の実家の水間さん宅で暮らしていた。柚希ちゃんは事件直前、妹や同級生らと現場近くの公園で鬼ごっこをして遊んでいた。妹が先に帰り、柚希ちゃんは自転車で帰宅。自転車を家の駐輪場に置いた後、刺されたとみられる。自宅で悲鳴を聞いた母親が、柚希ちゃんが倒れているのを見つけたという。
事件当時、付近を通りかかった女性が男が騒ぐ声を聞いたとの情報や、現場付近に男が立っていたとの情報などがあり、捜査本部は確認を急いでいる。
加古川市消防本部によると、水間さんを名乗る人から「自宅付近で子どもが何者かに危害を加えられた」と通報があった。同本部南分署の救急車が2分後に現場に到着した時は、柚希ちゃんはたたいたりつねったりすると目を開ける程度の意識レベルで、胸部と腹部を負傷していたという。
通報を受けた同消防本部は兵庫県災害医療センター(神戸市)にドクターカーを要請。第2神明道路大蔵谷インターで合流し、柚希ちゃんを乗せた救急車から移して県立こども病院に午後6時58分に運んだ。
近所の女性は「姉妹3人で仲良く遊ぶ(柚希ちゃんの)姿を見かけた。人見知りしない、いい子だった。(現場は)普段は人通りの少ないところなので不安だ」と話した。
現場は山陽電鉄別府駅西約1.2キロの住宅街。
毎日新聞 2007年10月16日 21時06分 (最終更新時間 10月17日 1時43分)