ここから本文エリア 知的障害者アートの常設ギャラリー 全国初、大阪に開設2007年10月01日 アーティストとしての自立を目指す知的障害者の作品を展示、販売するギャラリーが30日、大阪市中央区南船場3丁目の大阪農林会館にオープンする。海外で1点数万〜数百万円で取引されている作品を集めており、知的障害者に特化した常設ギャラリーは全国で初めてという。主宰者は「多くの人にこの分野の芸術を知ってほしい」と期待を寄せている。
運営するのは、知的障害者の通所授産施設「アトリエインカーブ」(大阪市平野区、今中博之施設長)。作品を市場に出し、芸術家として経済的に自立させる目的で、02年に造られた施設だ。 ギャラリーのオープニングを飾るのは、同施設で絵画や立体作品の創作活動を続ける大阪市の知的障害者、寺尾勝広さん(47)。鉄工所で溶接の仕事をしてきた経験から鉄骨をモチーフにした作風が特徴。ベニヤ板に鉄筆で無数の直線を刻んだ作品「たてものと木のデザイン」(84センチ×176センチ)には260万円の値が付けられた。 「日本の感覚ではゼロが一つか二つ多いかも知れないが、あえて海外の相場に合わせた。うちの作家が世界の最高峰にいることを知ってもらいたい」と今中さんは話す。 国内では障害者の作品は施設のバザーなどでただ同然で売られることがほとんどだったため、あえて米国に販路を求めてきた。「欧米の作家にはない作風が新鮮」などと評価され、ニューヨークの画商と契約して毎年1月に開かれる障害者らの作品で世界最大規模の即売会「アウトサイダーアート・フェア」にも出展。寺尾さんら5人の作品が数万から数百万円で売れるようになった。 こうした活動が国内でも知られるようになり、今春、東京で開いた展覧会では数万円の作品が2日間で数十点売れたという。ギャラリー開設を機に国内市場の開拓にも力を入れていくという。 開館時間は午前11時〜午後8時(月曜休館)。入場無料。寺尾さんの作品展は10月24日まで。10月27日からは、色鉛筆で描いた幻想的な町並みが特徴の湯元光男さん(29)=大阪府松原市=の作品を展示する。問い合わせは「ギャラリーインカーブ」(06・6245・3025)。 PR情報この記事の関連情報関西ニュース
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