浦和レッズ強し! Jリーグでは2年連続王者に向けてまっしぐら。アジア王者を懸けたアジアチャンピオンズリーグ(ACL)でもベスト4に名乗りを上げた。「レッズって、あの“Jのお荷物”の…」。そんなイメージは遠い昔の話。浦和レッズは、今や国内屈指のビッグクラブへと変貌を遂げたのである。
きっかけは02年、犬飼基昭氏の社長就任だった。当時から観客動員は断トツ。でも、とにかく結果が残せない。サポーターの過熱ぶりとは裏腹に、選手のモチベーションは冷却気味…。迅速かつ良質な決断力を備えた敏腕社長は、そんなピッチ内外の温度差を一変させた。
犬飼氏の改革はシンプルで大胆だ。まずは豪華クラブハウスを新設するなどプレー環境を整えて選手の士気を高めた。そして地元・さいたま市民が会員登録をすれば安価でサッカー、フットサル、野球やテニスなどを楽しめる総合スポーツランド「レッズランド」を建設するなどホームタウンにも利益を還元。地域との結びつきもいっそう強める。親会社との損失補てん契約を解除し、浦和レッズが企業として独り立ちする意識と道筋も植え付けた。
また、強化面では大型補強を次々に敢行。そして06年、「社長職は4年が限度」と語る犬飼氏はクラブを去ったが、レッズはついにJリーグ王者に君臨した。気がつけば、06年度の営業収入は約70億8000万円に到達。これは、J1クラブ平均の2.3倍に相当し、欧州の中堅クラブに勝るとも劣らない。約25億3000万円の観客入場料収入はもちろん右肩上がりを継続中。ちなみに営業収入2位の横浜F・マリノスの入場料収入が約8億3000万円だから、浦和レッズの徹底した地域密着戦略がいかに大きな成功を収めているかがわかる。
人気、実力、経営努力が相乗効果を生んでいる浦和レッズ。犬飼氏が去った今も、彼の方針や姿勢は貫かれ、目標とする「国内完全制覇」と「世界進出」を本気で狙っている。
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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