刺絡療法とは、
交感神経と副交感神経のバランスを
整えて病気を治す治療法です。

<刺絡療法とは>
手足の爪の生えぎわには、井穴(せいけつ)と呼ばれるツボがあります。ここに針を刺して少量の血液を出血させることで、自律神経と免疫機能を調節して、白血球の顆粒球とリンパ球のバランスを整え、病気を治す治療法です。
手足の指は内臓の働きと密接にかかわっているといわれており、親指は肺などの呼吸器、人さし指は胃腸などの消化器、小指は心臓や腎臓などの循環器の働きを高める効果が期待できます。

刺絡療法は、「自律神経免疫療法」の一つで、新潟大学医学部の安保徹教授と福田稔医師の2人により考案された「福田・安保理論」による治療法です。
その内容は、「難病を治す驚異の刺絡療法」「奇跡が起こる爪もみ療法」「ガンはここまで治せる」福田稔著、「未来免疫学」「絵でわかる免疫」「医療が病をつくる」「ガンは自分で治せる」「パーキンソン病を治す本」「免疫革命」安保徹著、などに詳しく解説されています。

この治療法の最も驚くべきことは、全ての病気の根源は1つであると言う、論理的裏付けです。自律神経が安定し、血液中の顆粒球とリンパ球の割合が正常になれば全ての病気は治るという、画期的な考え方です。
この治療法により、手術もせず、西洋薬も使わずにあらゆる病気を治す事が可能となり、多くの難病患者が救われているそうです。基本的に、手術、放射線、抗ガン剤、痛み止め、ステロイド、制酸剤などの薬は交感神経優位にしてしまうため、かえって病気を悪化させてしまうことが多く、これらの治療法は併用しません。

刺絡療法を行うと副交感神経反射が起こり、安全に、効果的に交感神経の緊張をほぐすことができます。しかし、このような生体反射を利用した治療法はおだやかに効力を発揮していく点に特徴があり、西洋薬を飲みながら行ったのでは、いくら継続しても十分な効果を引き出すことは出来ません。
薬は交感神経の緊張を促す一種のストレスです。しかも、その作用は強力であり刺絡療法などの生体反射では、とても太刀打ちできるものではありません。間違った治療をやめてはじめて効果が期待できるものであることを理解し、薬を常用している人は、その使用を中止したうえで刺絡療法に取り組むことが大切です。
もちろん、それまで必要だと思って飲んでいた薬をいきなりやめるのは不安でしょう。中止後、一時的にリバウンドがきて、症状の悪化が見られる薬が多いのも事実です。不安だという人は、徐々に服用量を減らし、最終的には完全に薬を断ち切れば良いでしょう。 
 

<白血球のバランスを整える刺絡療法>
間の身体の機能は、自律神経によってコントロールされています。自律神経とは、血管や心臓、胃腸など内臓の働きを意識とは無関係に調節している神経で、交感神経と副交感神経があり、シーソーのようにバランスをとって働いています。
福田・安保理論によると、
1)交感神経が緊張して顆粒球増加
2)副交感神経が緊張してリンパ球増加
という自律神経による白血球の調節や免疫との関係が明らかになってきました。そして、病気が起こるメカニズムがきわめて明快に説明できるようになりました。それは、下図のように表すことができます。

交感神経優位  <−−−− 自律神経 −−−−>  副交感神経優位
  多     <−−−− 活性酸素  −−−−>    少
  悪     <−−−−  血流   −−−−>    良
 少 35%  <−−−− リンパ球  −−−−>   41% 多
 多 60%  <−−−−  顆粒球  −−−−>   54% 少
  病気   <−−−−  正常   −−−−>    病気

 主に過度のストレスなどで交感神経が緊張すると、これに連動して顆粒球が増加します。顆粒球は体内に侵入した細菌を殺す大切な働きをしますが、増えすぎると体に害を及ぼすようになります。役割を終えた顆粒球は血液に乗って粘膜へたどり着き、最後に活性酸素をまき散らし、周囲の粘膜組織を破壊します。交感神経の緊張が続き顆粒球が増えすぎると、活性酸素も過剰に産生されて、組織は広範囲に破壊され炎症がおこります。交感神経の緊張は血管を収縮させ血流障害も引き起こします。血流障害を起こすと細胞に必要なものは届かず、老廃物など不要なものを流し去ることが出来ない環境を作ってしまいます。このように交感神経緊張に伴う病気が多いのですが、反対に副交感神経緊張が過度になっても病気は発生します。

交感神経緊張で起こる病気:
1)活性酸素による組織破壊
 癌・胃潰瘍・潰瘍性大腸炎・十二指腸潰瘍・白内障・糖尿病・橋本氏病・甲状腺機能障害
2)化膿性疾患の発症による
 急性肺炎・急性虫垂炎・肝炎・腎炎・膵炎・化膿性扁桃腺炎・口内炎・おでき・にきび
3)組織の老化が進行することで
 シミ・シワ・動脈硬化
4)血行障害、組織の虚血により
 肩こり・手足のしびれ・腰痛・膝痛・神経痛・顔面マヒ・関節リウマチ・五十肩・痔・静脈瘤・歯槽膿漏・脱毛・めまい・高血圧・脳梗塞・心筋梗塞・狭心症・不整脈・動悸・息切れ・偏頭痛・しもやけ・冷え症・アトピー
5)排泄、分泌能の低下による
 便秘・胆石・結石・脂肪肝・尿毒症・魚の目・ガングリオン・妊娠中毒症・食中毒・冷や汗
6)知覚の鈍化
 味覚異常・視力低下・難聴・痛覚の低下
7)緊張・興奮
 イライラ・怒りっぽい・不眠・喉の狭窄感・食欲減退・ヤケ食い

副交感神経緊張で起こる病気:
1)リンパ球の増加
 花粉症の一部・アトピー
2)血流増加によるうっ血
 小児喘息・のぼせ
3)排泄の亢進
 下痢・骨粗鬆症・癒着性腸閉塞
4)知覚過敏
 かゆみ・痛みの増悪・頭痛の増悪
5)沈静、リラックス
 うつ病・気力の減退・食欲亢進・拒食
 
 

刺絡療法には、自律神経のバランスを調整する働きがあり、交感神経の緊張を抑え、副交感神経を優位にします。このように病気の治療で大切なことは、交感神経を緊張させる要因(ストレス・薬物・暴飲暴食・運動不足など)を取り除きながら、積極的にリンパ球を増やす方策をとることなのです。この二つを同時に満たす治療法が「刺絡療法」です。

白血球は細菌やウィルスから体を守る働きをしていますが、1ccあたり正常で5000〜8000個存在しています。健康な人では、そのうち顆粒球が54〜60%、リンパ球が35〜41%の割合となっています。病気になると顆粒球の割合が60%を大きく超えてしまいます。リンパ球は主に免疫を司り、最低でも1ccに2000個以上は必要です。リンパ球の割合が正常範囲でも、白血球の総数が少ない時はリンパ球の絶対数が少なくなってしまい、免疫能は低下してしまいます。
刺絡療法では、血液検査をして顆粒球とリンパ球の割合を見ながら、増えすぎた顆粒球を正常に戻す治療を行い、自律神経を安定化させます。

<刺絡療法が効果的な疾患>
刺絡療法は、ガン、子宮筋腫、心臓病、脳梗塞の後遺症、パーキンソン病、アトピー性皮膚炎、リウマチなどの難病から、胃・十二指腸潰瘍、糖尿病、肝臓病、高血圧、などの生活習慣病、肩こり、腰痛、膝関節痛などの身体の痛みや難聴、花粉症、耳鳴り、めまいなどの不快症状まで、幅広い病気に実績があります。
 

<費用について(消費税込み)>
初診料: 5,000円
施術料: 1回 6,000円(自費診療となり健康保険は使えません)
    予約制です。必ず予約してからおいで下さい。
血液検査を行う場合は、3,000円〜 別に掛かります。
MRI検査、生活習慣病検査などでは健康保険でカバーできるものもあります。ご相談下さい。

<御注意>
・西洋医学での治療と併用する場合は効果が出にくい場合があります。
・痛みに対する感受性の強い方は治療できないこともあります。
 

<刺絡療法が副交感神経を優位にする機序>
私たちの体はもともと苦痛から逃れようとするしくみが備わっており、「いやなもの反射」(いやなものや不快なものに遭遇したとき、それから逃れようとする反応)を起こすことで生命を守っているのです。
たとえば、うっかり腐った食べ物を口に入れたら、誰もがすぐさま「ぺっ」と吐き出すでしょう。これと同じことが体の中でも、瞬時に起こっています。
「いやなもの反射」をつかさどっているのは副交感神経です。 副交感神経には排泄能や分泌能を高め、血管を拡張する作用などがあります。そのために反射が起こるとトイレに頻繁に行きたくなったり、便通がよくなったり、血流がよくなって体が温かくなったり、つばが沢山出たり、という生理現象が現れます。
いやなものの中には精神的なものも含まれます。たとえば非常にショッキングな体験をしたり、人にひどいことを言われたときなど、胃のあたりからぐっと吐き気がこみ上げてくることが有ります。これは体が、つらい体験、悲しい気持ち、苦しい気持ち、不快感を、外に追い出してしまおうとする反射なのです。
刺絡療法では針を使って治療を行っており、「チクッ」という刺激痛を感じます。 このチクリという痛みを排泄しようとして、「いやなもの反射」が起こり、血管が拡張し、血流が良くなります。 その結果、体がぽかぽかと温かくなったり、お腹がゴロゴロ言い出しますが、これは副交感神経が優位になっているためです。
 
 

西洋医学で治療していてもなかなか改善しない病気をお持ちの方は、一度試してみるべき価値のある治療法だと思います。
 

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