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「子供の前ではずかしくないんですか!」植草被告への判決要旨(2) (3/5ページ)
このニュースのトピックス:刑事訴訟
その後、被害者は、後ろを振り返り、「何やっているんですか」「子供の前で恥ずかしくないんですか」「次で降りてください」などと、被告人に対し、抗議していた。初めはき然とした感じだったが、最後のほうは涙まじりで、言い終わった後は、その場でうつむいて顔を押さえて泣き出した。
一方、被告人は、被害者が振り向いた直後に、1、2歩後退し、進行方向右側のドアの方向を向いた。
イ まず、目撃者は、被告人および被害者に対して何の利害関係もなく、ことさら被告人を陥れる理由もないし、ことさらに被害者に有利に供述する理由もない。また、その供述は、自分が見たことをそれぞれの時点での自らの心理状態も交えつつ具体的詳細に述べるものであること、被害者の被害状況について被害者の供述とも極めて符合すること、目撃者は視力も左が1・5、右が1・2と十分であり、被害者と被告人からの距離も近く、痴漢ではないかと疑惑を抱いた後、相当時間を注意して観察していること、また、被害者から助けを求められたが助けられなかったなど自分にとって不利なことも率直に述べるなど誠実な供述態度がうかがわれることから、その供述には十分な信用性が認められる。
なお、目撃者が、電車が蒲田駅を発車した後、痴漢を目撃しながら何もできなかったことを悔いる内容のメールを送信したことが認められることは、その供述を裏付けるものでもある。