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「子供の前ではずかしくないんですか!」植草被告への判決要旨(2) (2/5ページ)
(2) ア 目撃者は、その目撃状況について、要旨次のとおり供述している。
品川駅で、本件車両の真ん中のドアから乗車し、入ってすぐの広い場所に進行方向右側のドアを向いて立っていた。被害者は、目撃者から見て左である進行方向を向き、目撃者の真ん前、77センチメートルくらい離れた位置に立っていた。初めに被害者と被告人を見たとき、被害者の背後に被告人が同方向を向いて密着しており、本件車両内は、立っている乗客も多く混雑していたが、隣の人と体が触れ合うようなことなく立っていられるような状態だったので、被害者と被告人の距離には違和感を覚えた。被告人の両手ともに被害者のほうに前へいっていたが、その時点では、2人の距離や被告人の体勢に不自然さを感じた程度で、被告人が被害者に痴漢行為をしているとは思わなかった。
電車が品川駅を発車して、1、2分たったころ、ふと見ると、被告人の左手が被害者の左側面の腰から尻にかけての辺りを触れていた。被告人の指先から袖口辺りまでが見えた。被害者のスカートに、触られたことによるしわができていた。
見た瞬間は、痴漢の可能性はあると思ったものの、電車の揺れや混雑のせいなど何らかの事情で偶然手が触れてしまっているのかもしれないと考えて、痴漢だと確信はしていなかった。
しかし、見極めようとしばらく被告人および被害者の様子に注目していると、その後、電車が揺れたり、被害者が自ら体を動かしたりして、被害者の体が動くというようなことがあっても、被告人の左手が離れることなく被害者の体に付いていき、2分間くらい触ったままだったことなどから、最終的に痴漢行為をしていると判断した。
痴漢行為をしていると確信した後は、右手も左手と同じように、被害者の体を触っているのではないかと考え、実際、右腕は前に出ていたが、右手は見ていない。被告人は、少しうつろな目をしていてボーッとしたような感じだった。被害者は困感したような表情をしていて、自分のほうを見てきたため、助けを求めているんじゃないか、やめなさい、と注意しようかとは考えたが、実際には、注意して被告人が暴れたりしたら嫌だな、被害者が自分に賛同してくれなかったら困るなということも考えて、痴漢行為をやめさせるために被告人の顔を注視したくらいで、それ以上に注意することはできなかった。