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サマンにボディーを見舞う亀田
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前代未聞のリング外抗争がぼっ発した。日本フライ級のホープ、亀田興毅(18=協栄)が20日、後楽園ホールで元WBC世界ライトフライ級王者サマン・ソーチャトロン(36=タイ)と対戦。強打で元世界王者から3度のダウンを奪い1回2分59秒にKO勝ちした。試合後のインタビュー中に、スパーリングで乱闘騒ぎを起こした元日本フライ級ランカー臼井知史(33=ヨネクラ)らのヤジに父親の史郎さん(40)が激怒。つかみ合い寸前のトラブルに発展。新たな遺恨が生まれた。
野村克也夫妻、小川直也、千代大海、浜口京子らが見守る中で、むせ返るような熱気に包まれたリング。タイソンと同じ黒い衣装で統一した亀田が元世界王者サマンをワンツーで追い詰め、右ボディーで最初のダウン。息つく暇も与えず右ボディーで2度目のダウン、最後は連打から左ストレートで吹っ飛ばした。
「1回KOとは思ってなかった。まあ、小型タイソンやから。そのうち早すぎて金返せとか言われるかもしれんな」
36歳とはいえ元世界王者に付け入るスキすら与えなかった。だが、亀田本人は無視したが、豪快な1回KO劇のざわめきの中、突如第2ラウンドのゴングが鳴った。リング上でのヒーローインタビュー中にリングサイドまで押しかけてきた臼井とヨネクラジムの同僚で東洋太平洋、日本スーパーウエルター級の2冠王者クレイジー・キムから容赦ないヤジを浴びせられた。
「オレと戦え」(臼井)
「実力の世界をなめるな。弱いやつとしかやらない。何が世界だ」(キム)
エキシビションで二男の大毅が登場した時からヤジが続いていたこともあって父親・史郎さんがキレた。2人に詰め寄る。すぐに関係者が史郎さんを止めたが、後味の悪さだけが残った。
伏線は2日、協栄ジムで亀田と臼井がスパーリングで拳を交えた時だった。臼井に足をひっかけられた亀田が馬乗りになって左ストレートを顔面に放ち、もみあいになった。その時は和解しただけに、協栄ジムの金平桂一郎会長も怒りが収まらない。「試合に押しかけて来て、テレビが回っている中で…ボクシングのイメージをどう思っているのか。JBC(コミッション)に提訴したり警察に訴えはしないが、ジムとしてどう考えているのか」
騒動の中、亀田だけは「パンチ力は通用することが分かった。あとはキャリアだけ」とどこまでも冷静だった。
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