建築士が構造計算偽装 「他にも数件」認める 埼玉2007年10月15日21時55分 国土交通省は15日、横浜市内に建設予定だったマンションの構造設計を担当した「藤建事務所」(埼玉県八潮市)の遠藤孝1級建築士(60)が構造計算書を偽造していた、と発表した。このマンションは工事が中止された。遠藤建築士は横浜市の調査に「時間に追われてやった。他にも数件やった」と話しており、同省は同建築士が構造設計した首都圏などの約50件について、所在地の自治体に偽装や耐震性の有無の調査を要請した。 国交省と横浜市によると、マンションは積水ハウスが建築主で、同市西区に建設予定の地上9階・地下1階(高さ約30メートル、99戸)。基礎工事段階だった。民間検査機関「東日本住宅評価センター」(同市)が、6月12日に建築確認した。 遠藤建築士は、約3800ページの計算書のうち6カ所で計算結果の「NG」の文字の上に「OK」と張り付けて改ざんしたほか、コンピューター入力の段階で161カ所の壁や柱を壊れにくいように偽った。偽造した計算書に基づいて設計した建物の耐震強度が、基準を満たしているかは、調査中という。 遠藤建築士は「後で修正するつもりだったが、そのままになってしまった」と偽装を認めたが、他の偽装物件の数や名称は明かしていないという。 同センターは姉歯秀次・元1級建築士の偽装を見逃したとして06年5月、同省から業務改善命令を受けた。同センターは「2度も見逃しがあったのは申し訳ない」とコメントした。 建築確認後、建主から審査を依頼された性能評価機関が8月30日、偽装の疑いがあると同省に連絡した。横浜市が9月上旬調査に乗り出し、同19日、遠藤建築士が偽装を認めた。 構造設計は設計全体を請け負った東京都港区の設計事務所が「構造計画研究所」(中野区)に委託、さらに藤建事務所に再委託された。遠藤建築士は以前、構造計画に在籍していた。
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