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２００７年０９月２１日 更新

ヤンキース猛追撃！松井秀２試合ぶり２５号で大逆転Ｖ見えた

　【ニューヨーク１９日（日本時間２０日）】ヤンキースの松井秀喜外野手（３３）は「６番・左翼」で出場したオリオールズ戦の二回二死、２試合ぶりの２５号先制ソロを右翼席に放ち９９打点目を挙げた。２−１で勝ち４連勝のヤ軍と地区首位のレッドソックスとのゲーム差はついに１．５。１０試合を残して射程圏内にとらえた。日本時間２３日にも首位に立つ。

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　九回、一打逆転のピンチをしのいだ。左翼の守備位置から見届けた松井秀は跳ねるように走り一塁ベンチへと引き揚げてきた。５万３８５７人の観衆が大喜びするのを見てさらに気持ちが高ぶる。レ軍を１．５ゲーム差に追い込んだ打のヒーローはゴジラだった。

　「打ったのは真ん中のストレートですね。完璧でした」

　失投を逃さなかった。０−０で迎えた二回二死の第１打席。オ軍先発左腕のブライアン・バレス投手（２６）がカウント１−２から投げた８８マイル（約１４２キロ）の直球をしんでとらえ、右翼席へと運んだ。２試合ぶりの２５号ソロで先制点をたたき出し今季通算９９打点。大リーグでは自身２年ぶり４度目となる１００打点に王手をかけた。

　「ニューヨークに戻ってきてから感じがよくなりましたね」

　１０泊１１日の遠征を終えて１７日未明に地元へ帰った。遠征８試合の成績は打率．１４８、０本塁打、３打点だったが本拠地３試合の成績は打率．３０８、２本塁打、５打点。お気に入りのキングサイズのベッド、羽毛布団、テンピュール製の枕で眠るようになり疲労が取れ、スイングに切れが戻ってきた。

　ニューヨークでは帰宅後、深夜にヤ軍専門ケーブルテレビで流れている試合の再放送を見られるのも大きい。５０インチの大型液晶テレビの前に座り、ミネラルウオーターを飲みながら“ひとり反省会”を開いて客観的に状態をチェックしてから眠りにつく。地の利を生かしてゴジラが復調のきっかけをつかんだ。

　「ボストンとはもう試合がないのですから、自分たちの野球をちゃんとやるのが大切。１試合１試合の積み重ねです」

　ヤ軍が首位と１．５ゲーム差に迫るのは４月１７日（日本時間１８日）以来、約５カ月ぶり。

　「あきらめの悪い人間の集まり」と松井秀の評する軍団が、５月２９日（同３０日）につけられた最大１４．５ゲーム差からの逆転地区優勝という奇跡を、残り１０試合で起こそうとしている。

　ヤ軍は２１日（同２２日）からブルージェイズ戦、レ軍は最下位のデビルレイズ戦。最短２２日（同２３日）には、地区１０連覇を目指す名門が“定位置”を獲得している。

★地元紙「Ｒソックス捕らえた」

　一夜明けた２０日付のニューヨーク各紙は、ヤ軍の逆転Ｖの可能性も見え始め報道もヒートアップ。いずれも松井秀の名はなかったが、『ニューヨーク・ポスト』（電子版）は「レッドソックスを射程に捕らえた」と大きな見出しで、「首位と１４．５ゲームも開いたときには、地区優勝について考えたこともなかったが、今はその権利がある」と２００勝を挙げたペティットのコメントを紹介。『デイリー・ニューズ』（電子版）は「ヤンキースはポストシーズンを勝ち抜く勝利の方程式ができた」とようやく確立したチェンバレン−リベラの継投を引き合いに出した。

★松井秀書き下ろし『不動心』売り上げ伸びるか！？

　ゴジラの復調気配を新潮社の笠井麻衣さん（３１）も喜んだ。笠井さんは２月に新潮新書として発売された、松井秀書き下ろしの『不動心』の担当者。

　「松井選手が活躍すると、今でも売り上げが伸びるんです。好調だった７月も反応がよかった。このままプレーオフに進出していただけたらありがたいです」

　発行部数は３２万部に到達した。さらなるゴジラの活躍で、息の長いベストセラーになることを笠井さんは願っていた。

★チケット売り上げ球団新記録

　ヤンキースは今季のチケット売り上げが４２６万２７６１枚となり、昨季の４２４万３７８０枚を上回る球団新記録になったと発表。ヤ軍の観客動員数が４００万人を越えたのは３年連続。これは１９９１年から９３年のブルージェイズ以来の快記録となった。