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練習後、パイロンを頭に乗せて引き揚げる細貝
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08年北京五輪アジア最終予選第4戦カタール戦(17日、ドーハ)に臨むU―22日本代表が、故障離脱と出場停止で主力2人を欠くボランチの位置にDF登録の選手を起用する可能性が高まった。アウエーで守備的戦術を敷くこともあり14日の練習で細貝萌(21=浦和)、小林祐三(21=柏)がボランチでテストされた。また、チームは15日に事前合宿を張ったドバイから試合会場があるドーハに移動した。
【特集】
反町監督が緊急コンバートで非常事態を乗り切る腹を決めた。ドバイ合宿の最終日に行われた戦術練習では、出場停止の本田拓、故障離脱中の梶山の主力2人を欠くボランチの位置で細貝、小林がテストされた。関係者は「ボランチにはDFの選手が入ることになると思う。韓国戦(13日の練習試合)でもそうだったので」と説明。右足首打撲で14日の練習を回避したボランチの青山敏はカタール戦に間に合う見込みで、そのパートナーに細貝か小林が抜てきされる可能性が高まった。
細貝は前橋育英高時代はボランチだったが、浦和入り後にDFに転向。「ボランチはあまりやってないので戸惑ったけど、練習で感覚は戻ってきた」と話した。小林は9月12日のカタール戦で本田拓の退場後に急きょボランチで出場して完封に貢献したが、守備的MFでのプレーは05年6月の世界ユース以来だった。どちらがピッチに立っても急造感は否めないが、DF登録選手を中盤で起用するメリットもある。
当初は柏木や本田圭といった攻撃的選手のボランチ起用も考えられたが、リスクを負って攻めればカウンターを受ける可能性が高い。細貝、小林ならビルドアップに不安を残す半面、対人プレーや中盤と最終ラインの間のスペースを埋めるバランス感覚に優れており、守備の安定感は増す。
引き分け以上で4大会連続の五輪出場に大きく前進する大事な試合。決戦の地ドーハに入った反町監督は「ドバイではいい準備ができた。ここからは最終調整に入る」と力を込めた。懸念されていたボランチの穴を、DF登録選手で埋める苦肉の策。非公開で行われる16日の公式練習で連係面の最終チェックを行うが、思惑通りに事が運ぶかどうか――不安は尽きない。
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