今日はいい天気だったよね。こんな日は外を歩くのがいちばん。
空を見上げる。なんだか雲がいつもより高い位置にあるような気がする。
秋風が心地よい。しばらく立ちどまり、空を見ている。
本を100ページ読むひまがあったら、青空を見るべきなのだ。
活字などいくら読んでもひとに優しくはならない。だけど、青空を見ていれば――。
もちろん、そんな簡単にこのゆがんだ性格が治るわけがないけれども、
空を見上げていたら、いつか、そのうち、なんていう希望も生まれる。
ひとに優しくなりたい。友だちを増やしたい。
いいおとながなにをと笑われそうだけど、この秋空をもしきみが見ていたら、
うっかりおかしなことを言いだしたわたしを笑わないと思う。
秋の神保町へおもむく。むかしは週に数度、神保町へ顔をだしていたものだ。
というのも、歩いてすぐのところに住んでいた。
しかし引越したいまとなっては、うちから神保町まで1時間弱。
時間はまだいいのである。しかし交通費が痛い。片道で360円。往復だと720円である。
むかしはただで何度も行けた神保町が、いまは行くたびに720円もかかる。
720円は大きいよね。かなりのものが食べられる。おっと食い意地が。
本でも、文庫ならたいがい買えてしまう。新書がちょうどこの金額である。
だから神保町へ1回行くごとに新書1冊ぶんのおカネを捨てているようなものなのである。
それでもなぜか神保町へ行ってしまう――。
これはもう習慣であろう。
いくら遠いところへ捨てられても戻ってきてしまう犬のようなもの。
いつものようにまずは田村書店のワゴンからスタートする。
この日も収穫はゼロ。もはや田村書店からすっかり見放されてしまったようだ。
かつてはこのワゴンをのぞくたびになにかしらの獲物にありついたものだが。
それから週末恒例の小宮山書店ガレージセールへ。ここにもほしい本はなし。
田村・小宮山の二大古書店を見てから神保町古書店街をぐるりと一周。
とはいえ、どの店も店舗まで入るわけではない。ワゴンのみのところも少なくない。
「本の山」の敵(笑)。演劇シナリオ専門の矢口書店も視察。
相変わらずの殿様経営である。早晩つぶれるのは間違いない。
ここにある高値がついているどの本もネットで買えば半値以下なのである。
ここの顧客はネット古書店を知らないものだけだろう。
そのうちパソコンを使えない老人も死ぬ。矢口書店の終焉である。
売場で店主の矢口さんがパソコンをいじくっている。
安く出品されている演劇関係書を仕入れているのだろう。
かれが顧客を見下しているのは間違いあるまい。
おまえらバカだよな。ネットもできないのか老いぼれどもよ! 矢口書店の商法である。
雑誌専門古書店のヴィンテージへ入る。
ここに来ると古書店なるものの正体を実感とともに理解することができる。
古雑誌なんていうのは基本的にゴミでしょう。捨てるもの。
ところが、それを用いて商売をするものがいる。たとえば、この古書店のようにである。
仕入れなど、ただみたいなものだろう。
しかし、まさか神保町の古書店様がゴミ捨て場を巡回するはずがない。
専門のホームレスがいるのである。かれらが売りに来る。
何度かその現場に立ち会ったことがあるが、ひどいものである。
店員は完全に売り手を見下しているのである。この乞食め! という視線だ。
いいかげんな金額で買い叩く。それでもホームレスはわずかな現金収入がうれしい。
ぺこぺこしながら店をあとにする。
こんなものなのである。ためしにこの類の古書店へ古雑誌を売りに行ってごらんなさい。
ものすごい嫌な思いをすることと思う。売値の1割も買取金額はつかない。
怒るなかれ。よくよく考えてみよ。そもそも古雑誌はゴミなのである。
しかし、言いたくないが、こういう古書店の勘違いはどうにかならないものか。
この日、雑誌を2冊買ったが、とてもではないが、お客さまへの対応ではなかった。
売ってやるという感じである。
古書店のジジイならまだ許せもしよう。いい若いもんがこの態度とはどうしたことか。
マスコミからちやほやされているのだろう。個性派古書店のカリスマ店員ってか!
「シナリオマガジン ドラマ 1992年2月号 野島伸司の研究」品切れ 600円
「シナリオマガジン ドラマ 1994年4月号 山田太一シナリオ特集」品切れ 400円
野島伸司はシナリオを公開しないことで有名である。
このため野島特集の「ドラマ」はまえまえから探していた。。
いぜん矢口書店で2000円で売っていたのを見たが、それもすぐに売り切れた。
迷っている余裕もない買物というのが古書にはあるようである。
さて、本日の神保町はこれだけである。
おまけとして最近、買った本のことを書きたい。
いつのことだったか。
もういまいるところくらいの僻地に来ると自転車がないと生活できない。
その日、たしかビールを1本のんでいい気分で自転車散歩をしていたのだが、
軽はずみにこんなことを書いてしまうと責任問題がどうのと市民様から怒られて、
学生なら大学へ、会社員なら勤務先へ通報されて、
ブログ炎上のみならず、重い社会的責任とやらを負わなければならないらしいので、
このときわたしはビールなど1本ものんでいなかったことを強調しておきたい。
ブックオフ西台店へ到着。酒気は皆無♪
「おいしい中国屋台」(浜井幸子/情報センター出版局)絶版105円
「土の中の子供」(中村文則/新潮社)105円
「論語 生き方のヒント」(ひろさちや/日本経済出版社)105円
「流砂(上下)」(井上靖/文春文庫)絶版210円
また別の日だが、このときは散歩の途中であった。
好きなのは復路電車の散歩である。
徒歩で地図も見ないで行けるところまですすむ。疲れているから帰りは電車を利用。
赤羽のブックオフのちょっと先に、小さな古本屋があった。
おもての棚にあるものが、いわばワゴン本であろう。
「こころを鍛えるインド」(伊藤武/講談社)絶版100円
やはり引越は失敗であった。いまの住みか付近は文化のレベルが極めて低い。
しかし、引越しなければならなかったのである。
わたしだって、むかしいたところが懐かしい。いまでもちょくちょく行く。
むろん、通院の関係もあるのだが。
むかしの住所の近くにはいい古本屋がたくさんあった。
たとえば、本郷の古書店、大学堂である。
かつては東大の先生、学生さんでにぎわっていたと店主の奥さんから聞いたことがある。
ここに来るのは半年ぶりである。
「舞台芸術の現在」(渡辺守章/放送大学教育振興会)絶版800円
定価は2600円である。本を買うかどうか迷ったときは、こうしている。
まったくの無作為にあるページを開く。そこに興味のある事項が書かれていたら買い。
意味不明だったり、関心を呼ばなかったら、買わない。
これがいちばんである。要は縁があるかどうかを見ればいいのだ。
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