DTS、中国でオフショア強化−「DTS上海」の日本法人設置
DTSはソフト開発の中国へのオフショア(海外委託)を強化する。中国・上海に11月1日付で設立する子会社「DTS上海」の日本法人を07年度末までに設置。国内企業からのオフショアを直接受注できる体制を整備する。またDTS上海を軸に協力会社である中国国内のソフト開発会社との連携を強化。協力会社への出資や新規開拓を進めるほか、品質向上に向けた開発体制を整える。一連の強化策により07年度見込みで5億円の発注額を、2012年度までに40億円に引き上げる。
日本法人の設置はオフショア案件の見積額の見直しといった問題発生時のリスク管理として、日本法人と契約したい日本企業の要望に対応。日本企業との窓口役を果たし、営業や連絡体制も構築する。設置場所は東京都内になる見込み。
DTS上海ではオフショア開発を受け持つ中国国内の協力会社8社への出資や中小ソフト開発会社の新規開拓を進める。また中国の協力会社が参加したコンソーシアムを形成。1社では開発能力を超えるオフショア案件に対し参加企業間に分割発注する仕組みを築く。
協力会社との調整役としての役割も果たし、オフショア案件の進ちょく状況や品質を管理。「大手ソフト開発会社へオフショア案件を丸投げするのではなく、協力会社の開発を支援してプロセスごとにチェックし指導する」(赤羽根靖隆DTS社長)体制を構築することでオフショア案件の不採算化を防ぐ。
DTSは04年4月に中国へのオフショアを開始。06年11月に中国・大連に駐在員事務所を設け、協力会社の新規開拓を進めてきた。今後、大連事務所はDTS上海の下部組織に編入する。
DTS上海ではオフショア以外に、金融機関など中国国内に進出した日系企業のシステム構築支援を担当。将来は日本国内のシステム運用・保守業務を中国で請け負う事業も計画していく。
(更新日 2007年10月16日)
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