|
JR名古屋駅内の売店に掲示された、赤福商品の販売中止を知らせる張り紙
Photo By 共同
|
|
商品の製造日を偽装していた老舗和菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)が、大手菓子メーカー「不二家」による期限切れ原料の使用が問題化した今年1月下旬に、偽装の一部を中止していた。また、偽装した商品には目印も付けていた。冷凍保管後に解凍後、午前0時を待って包装し製造日を印字するケースもあり、農水省は赤福が違法性を認識していた可能性があるとみている。
赤福は1月27日以降、工場から配送車で各販売店舗に出荷した製品のうち、工場に戻ってきた残り分について、一部偽装を中止していた。偽装の手口は、配送車の残り分と工場から当日出荷されなかった商品を、冷凍庫で最大2週間保管した後に解凍し、解凍日の日付を製造日として記載し直して再出荷する方法。工場内の余った商品については、農水省の調査を受ける9月まで偽装を続けていた。
1月下旬といえば不二家問題が報道され、問題化した時期。赤福の浜田典保社長は12日の記者会見で「不二家の問題を受けての対応ではないか」との質問に対し「われわれの自主的な判断」と関連を否定。「以前から冷凍の割合を減らしたいと考えていた」と述べ、工場の生産体制整備の一環と強調した。
また、赤福の説明などによると、祝日などで大量の出荷が見込まれる場合、日付の変わる前から工場の操業を始め、準備することがあるという。解凍作業が早めに終わっても、日付が変わるまで包装を控えていたケースもあった。同社は「普段は午前0時を待って作業を始めるが、繁忙時には早めに準備を始めることもあり、そうしたことがなかったとは言えない」としている。
同社のうたい文句は「製造したその日限りの販売」「つくりたて」。それでいて解凍日ではなく包装日を印字しながら、「0時待ち」は商品を大量に供給するための方策だったとみられる。結果的に消費期限を1日延ばしていた。
ほかにも、偽装した商品が社内で区別できるよう、包装紙に印字された消費期限の日付の末尾に、ピリオドが付けられていた。
|