国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
(cache) 横浜市内の物件における構造計算書の偽装とその対応について


 

 




 横浜市内の物件における構造計算書の偽装とその対応について
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平成19年10月15日
<問い合わせ先>
住宅局建築指導課
(内線39564)
TEL:03-5253-8111(代表)

 

 国土交通省では、横浜市内の建築物について、構造計算書が偽装されている可能性があるとの情報提供を受け、特定行政庁である横浜市に通報し、調査を進めてきました。
 今般、横浜市より偽装の事実について報告がありましたので、下記のとおり公表します。


  1. 物件概要
    物件名  (仮称)グランドメゾン横濱紅葉坂計画
    地名地番 神奈川県横浜市西区宮崎町58番1、60番2
    建築主 積水ハウス(株)
    設計者 (株)松田平田設計(構造設計は(株)構造計画研究所に委託)
    構造設計者 (有)藤建事務所((株)構造計画研究所から再委託)
    確認年月日 平成19年6月12日
    ※改正建築基準法の施行日(6月20日)以前の確認
    確認を行った機関 (株)東日本住宅評価センター
    特定行政庁 横浜市
    構造/階数 鉄筋コンクリート造/地上9階・地下1階 (高さ 約30m)
    延べ面積 約26,000u
    ※地上部分は5棟から構成
    用途 共同住宅(99戸)
    現況 工事中止(基礎杭まで施工済)
    住戸の販売は未開始

    ※建築主は、計画取りやめのため平成19年8月31日に工事取り止め届を提出済。

  2. 経緯
    (1)  8月30日に、ある登録住宅性能評価機関から国土交通省に対し、住宅性能評価申請中の1の物件の構造計算書において偽装の疑いが見られるとの通報がありました。これを受けて、国土交通省から所在地の特定行政庁である横浜市に対し通報を行い、偽装の有無及び耐震性について調査を要請しました。
    (2)  9月20日に、横浜市から国土交通省に対し、調査状況の中間報告があり、偽装の疑いが強まったため、構造設計者の一級建築士事務所を所管する埼玉県に通報を行い、9月21日、埼玉県が事務所を立ち入り調査し、関与物件リストの作成を開始しました。
    (3)  9月26日、埼玉県から国土交通省に対し、第1次の関与物件リストが提出されたため、9月28日、関係特定行政庁に第1次リスト約50物件の調査を要請しました。
    (4)  本日10月15日、横浜市から国土交通省に対し、1の物件の偽装の事実について報告がありました。なお、1の物件の耐震性については、横浜市で検証中です。

  3. 偽装の事実
    (1)  (株)松田平田設計から構造設計の委託を受けた(株)構造計画研究所から再委託を受けて構造計算図書の作成を行った

     「(有)藤建(ふじけん)事務所(管理建築士:遠藤 孝 一級建築士、埼玉県八潮市)」

    が構造計算書の偽装を行った。
    (2) 偽装の内容
     1構造計算の直接入力(161箇所)
    保有水平耐力の計算で、地震時にせん断破壊を起こす耐力壁や柱をせん断破壊を起こさないものとして直接入力して計算を行った。
     2構造計算書の切り貼り(6箇所)
    1次設計の耐力壁の断面計算において、切り貼りにより、NGのOKへの書き換えを行った。

  4. 今後の対応
    (1)  横浜市では、引き続き再計算により検証を行い、耐震性の有無を確定後、国土交通省へ報告、公表する予定です。
    (2)  埼玉県では、国土交通省と連携し、建築関係団体に関与物件の情報提供を要請することとしています。今後新たに判明した関与物件については、逐次埼玉県から国土交通省へ報告し、必要な調査を行う予定です。
    (3)  国土交通省としては、耐震性についての国民の不安を解消するため、今後とも、関与物件調査の促進、一級建築士の処分等、関係行政庁と協力して厳正な措置を講じる予定です。

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