弁護士・未熟な人間・今枝仁・・・光市事件と刑事弁護の理解のために

勇気を出して光市事件の思いを赤裸々に書きつづったところ、意外とご理解を頂きました。
ご批判もありますが、事件や自分の状況、意見を書きつづってみようと思います。
そうしてみて改めて、人間としての私の未熟を実感しました。
これまで犯した過ちを償い、人間として成長する場をここで与えていただきたいと願います。

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2007年10月15日(月)

◎ 弁護団の姿勢に誤解を与えないための補足説明

今回、辞任する、しないで一人相撲し、皆様には多大なるご迷惑と動揺を与えてしまい、誠に申し訳ありません。
特に、ご遺族に、「やはり被告人の言い分は虚偽だったのか」等の不信感と混乱を与えてしまったようでしたら、特に申し訳ありません。
被告人が差し戻し審で述べたことは、細部の記憶違いや思いこみがある可能性はあるものの、基本的には本人の記憶に基づき正直に供述しているものと、私は信じているし、だからこそ身元引受人という重大な責任を引き受ける覚悟ができたのです。

弁護団も、私の「個別訪問が強姦の計画性によるものではない」「現在の反省と将来の更生」にもっと重点を置くべきという意見にまったく耳を貸さなかったわけではありません。
それらの重要性は意識し、それらを検討する方法についての妥協案も示されました。
私が納得できるほどの妥協案でなかったというだけです。

私が弁護団に批判的な意見を述べたのも、決して「弁護団憎し」からではありません。
少しでも、私の意見が反映されてよりバランスのよい弁論をしてもらいたいという一心からです。
被告人の命を守りたいからです。
被告人の利益を守るために、真相の究明のために、弁護団全員が全力を尽くしていることは疑いようがありません。
そしてその知識、経験、技術は、最高峰であろうと思います。
私が中心になって5〜6人の弁護団を組んだ程度であれば、とてもあの5分の1も事案を解明できません。

ただ、22人で分担するにしては、私の思うような重点の置き方、配分を考えてもらえなかったということです。

マスコミ対策についても、いろいろな考え方がある中、私が独断で突っ走ってしまった面があり、それが軋轢を促進したかもしれません。

ですから、私が離脱したことで、「やっぱり弁護団はおかしい」という論調になるのは、仕方ないことかもしれませんが、避けてほしいのです。

作成者 今枝仁 : 2007年10月15日(月) 21:45 [ トラックバック : 0]

◎ 弁護人は辞任しません 早まった公表でご迷惑かけました(お詫び)

出張先の岡山から、モバイルで書いています。

本日朝、被告人と1時間ちょっと話し合い、結論として、弁護人を辞任しないことにしました。
被告人が、「絶対に辞めないでほしい。今枝先生に弁護してほしい。」と言う以上、他の弁護人が「辞めてもらわないといけない。」と言うからといって、辞めることはできません。

被告人の言葉を聞いて、嬉しく思う反面、被告人のいないところで「辞めてもらわないといけない。」「じゃあ辞めます。」と弁護人同士で議論したこと、それで辞任する旨を軽率にも公表してしまったことを、深く恥じました。
私が予想していたよりもはるかに多くの方が、ご心配や応援をしてくださり、勇気付けられることもありました。
軽率に「辞めます。」と意思表明しお騒がせさせたこと、深くお詫び申し上げます。
特にもし本村洋さんほかご遺族が困惑されたならば、配慮が欠けたこと、伏してお詫び申し上げます。
また弁護人間の軋轢を公表したことにつき、ご批判やご懸念等あろうかとは思います。
ただこれは、被告人のため、被告人のためによりよい弁論を準備していくために、一定の圧力は必要と判断しなしたことです。
私と弁護団との軋轢は、書いていないこと、書けないこともいろいろあります。

私は弁護人は辞任しないことにしたものの、主任弁護人と弁護団長から「辞めてもらいたい。」旨はっきり言われていることから、今後どのようなスタンスで刑事裁判に臨むべきかは、まだ定まっていません。

弁護団という法人格は無く、訴訟上も意味のあるものではありませんが、刑訴規則上は弁護人は主任弁護人の意向に反して訴訟活動できないでしょうから、弁護団を外れた「弁護団ひとり」として活動するとしても、主任弁護人の意向に制約を受けるでしょう。

ただ、被告人が「最終的に弁護団と別々としても、今枝先生にも僕のために弁論してほしい。」と希望していますので、被告人の意向が最優先ということになるでしょうか。

作成者 今枝仁 : 2007年10月15日(月) 16:25 [ トラックバック : 6]

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