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| | 西暦1200年代(鎌倉時代)。日本人五人を乗せた難破船が、マウイ島の北岸に漂着した。五人のうち三人は侍で二人は女性であった。女性は高位の酋長に嫁ぎ、男達は酋長の娘を娶(めと)り、多くの子孫をなした。 ハワイアンの注目を集めたのは、頭の侍が持っていた鉄剣(日本刀)である。まだ鉄器を知らぬ彼らは、日本刀を「光る剣」と呼び、畏怖の念で見つめた。 「鉄剣には神霊が宿り、護持するものを守る」、と侍は片時も離すことはなかった。彼はやがて戦いに加わり、日本刀の恐るべき威力を発揮した。「光るパポア」を見た敵はことごとく倒れ、それに触れた武器は破壊された。 戦場の混乱の中で、この剣はあるハワイ島の戦士に渡った。ところが、鉄剣に宿る不思議な力により、その戦士はハワイ王の愛妃を娶り、鉄剣は王族の秘宝となっていく、という日本刀と侍にまつわる数奇な運命を伝える伝説である。 (カメハメハ 戦国のハワイに生きた風雲児 上 小平豊より)
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2007/10/13(Sat)
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