長崎県諫早市の小学6年の女児(12)が大阪市のマンションに連れ込まれた事件で、未成年者誘拐容疑で逮捕された大阪市福島区の会社員、坂本優介容疑者(20)が長崎県警に任意同行を求められた際、一緒にいた女児が「長崎に帰りたくない。お兄ちゃんは悪くない」と捜査員に話していたことが分かった。女児が保護されるまでの8日間、女児は自由に行動できる状況にあったが、県警は坂本容疑者がわいせつ目的で女児をマンションに連れ込んだ可能性もあるとみて調べている。
女児は6日、家族あてに「捜さないで下さい」と書き置きを残し、現金1万6000円を持って自宅を出た。待ち合わせ場所のJR小倉駅(北九州市)で坂本容疑者と落ち合い、マンションに連れ込まれたという。
坂本容疑者は、女児を連れ込んでいた13日までの8日間、通常通り会社に出勤。会社からの帰宅後や休日はオートバイの後ろに女児を乗せてドライブなどをしていたという。発見、保護された際も、2人でオートバイに乗ってマンションに帰ってきたところだった。
2人は、女児が06年4月に開設した少女漫画のブログを通じて知り合った。「周りが自分のことを理解してくれない」と、家族に不満を持っている内容の書き込みに対して、坂本容疑者が相談に応じていたという。坂本容疑者も07年7月までマンションで母親と同居していたが、けんかが原因で母親は近くの自宅に戻っていた。
2人はブログやメールで近況をやり取りするうちに親近感を持ち、坂本容疑者が「大阪まで遊びに来ない?」などと誘ったという。
坂本容疑者は調べに対し「誘う前から12歳と知っていた」などと供述。県警は15日、坂本容疑者を長崎地検に送検した。【阿部弘賢、柳瀬成一郎】
毎日新聞 2007年10月15日 15時00分 (最終更新時間 10月15日 17時19分)
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