「夫が自殺したのは上司による『パワハラ』が原因だ」として、妻が労災の認定を求めていた裁判で、東京地裁は、妻の訴えを認める判決を言い渡しました。
「存在が目障りだ、居るだけでみんなが迷惑している、お前のカミさんも気がしれん、お願いだから消えてくれ!」「車のガソリン代ももったいない」(男性社員の遺書)
上司による「いじめ」とも言える言葉を書きつづった遺書。これは4年前、製薬会社「旧・日研化学」現在の「興和創薬」静岡営業所に所属していた、当時35歳の男性社員が自殺する前に書いた遺書です。
原告側によると、社員は新しい係長が赴任してきたあと、5年前の秋頃から「パワハラ」を受けたと言います。
「何処へ飛ばされようと仕事しない奴だと言いふらしたる!」「お前は会社をクイモノにしている、給料泥棒!」(男性社員の遺書)
社員は「パワハラ」を受けている最中、仕事のトラブルが相次ぎ、4年前の3月、首つり自殺をしました。
社員の妻は、自殺は係長による「パワハラ」が原因だったとして、労災の認定を求め提訴。15日の判決で、東京地裁は「係長による言動により、過重な心理的負荷を受け、精神障害を発症した」と指摘、「自殺は業務に起因するものだ」として労災を認める判決を言い渡しました。
自殺の原因が「パワハラ」だとして労災が認められたのは、初めてです。(15日17:16)