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目次
**〔2007年9月改訂(第8版)〕
*〔2006年6月改訂〕
中枢神経興奮剤
劇薬、向精神薬、指定医薬品、処方せん医薬品
(注意−医師等の処方せんにより使用すること)
塩酸メチルフェニデート製剤
日本標準商品分類番号 871179
承認番号 | 錠:13600AZZ00111000 散:13600AZZ00110000 |
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薬価収載 | 1961年11月 |
販売開始 | 1958年11月 |
再評価結果 | 1998年3月 |
6歳未満の幼児(「7.小児等への投与」の項参照)
リタリン錠 「チバ」 |
成分・含量 | 1錠中塩酸メチルフェニデート10mg | ||
添 加 物 | 乳糖、第三リン酸カルシウム、トウモロコシデンプン、 ヒドロキシプロピルセルロース、リン酸二水素カルシウム、 ゼラチン、タルク、ステアリン酸マグネシウム | |||
性 状 | 白色の裸錠 | |||
外 形 |
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識別コード | CG 202 | |||
大きさ(約) | 直径:7.0mm 厚さ:2.6mm 質量:0.14g | |||
1%リタリン散 「チバ」 |
成分・含量 | 1g中塩酸メチルフェニデート10mg | ||
添 加 物 | 乳糖 | |||
性 状 | 白色の散剤 |
ナルコレプシー
抗うつ薬で効果の不十分な下記疾患に対する抗うつ薬との併用
難治性うつ病、遷延性うつ病
ナルコレプシーには、塩酸メチルフェニデートとして、通常成人1日20~60mgを1~2回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
難治性うつ病、遷延性うつ病には、塩酸メチルフェニデートとして、通常成人1日20~30mgを2~3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(1)てんかん又はその既往歴のある患者 〔痙攣闘値を低下させ、発作を誘発させるおそれがある。〕
(2)高血圧の患者 〔血圧を上昇させるおそれがある。〕
**(3)脳血管障害(脳動脈瘤、血管炎、脳卒中等)のある患者又はその既往歴のある患者〔これらの症状を悪化又は再発させることがある。〕 →使用上の注意改訂のお知らせ
(1)覚醒効果があるので、不眠に注意し、夕刻以後の服薬は原則として避けさせること。
(2)連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し、特に薬物依存、アルコール中毒等の既往歴のある患者には慎重に投与すること。
(3)本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないように注意すること。
併用注意 (併用に注意すること)
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
昇圧剤 | 昇圧作用を増強させることがある。 | 本剤は交感神経刺激作用を有するため。 |
MAO阻害剤 | MAO阻害剤の作用を増強させることがある。 | 本剤は交感神経刺激作用を有するため。 |
クマリン系抗凝血剤 | クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある。 | クマリン系抗凝血剤の半減期を延長させる。 |
抗痙攣剤 フェノバルビタール、 フェニトイン、 プリミドン |
抗痙攣剤の作用が増強されることがある。 | 本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害すると考えられる。 |
三環系抗うつ剤 イミプラミン等 |
三環系抗うつ剤の作用が増強されることがある。 | 本剤は三環系抗うつ剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる。 |
グアネチジン | 降圧作用を減弱させる。 | 本剤は交感神経刺激作用を有するため、グアネチジンの交感神経遮断作用に拮抗する。 |
アルコール | 精神神経系の副作用が増強されることがある。 | アルコールは本剤の精神神経系の作用を増強させる。 |
承認時まで及び承認後の副作用調査例数の累計325例中201例(61.9%)に副作用が認められ、主な症状としては口渇(32.9%)、頭痛(14.8%)、発汗(24.3%)、食欲減退(16.9%)等がみられている。(本剤はうつ病については副作用頻度が明確となる調査を実施していないため、ナルコレプシーについて行われた調査を集計した。)
(1)重大な副作用(頻度不明)
1)剥脱性皮膚炎:症状があらわれた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2)狭心症:症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3)悪性症候群(Syndrome malin):発熱、高度の筋硬直、CK(CPK)上昇等があらわれることがあるので、このような場合には体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
**4)脳血管障害(血管炎、脳梗塞、脳出血、脳卒中):症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 →使用上の注意改訂のお知らせ
(2)その他の副作用
頻度不明 | 5%以上 | 5%未満 | |
過敏症注1) | 紅斑等 | ― | 発疹、関節痛 |
眼 | 視調節障害、霧視 | ― | ― |
精神神経系 | 興奮、チック、舞踏病様症状、Tourette症候群、ジスキネジア等 痙攣、常同運動、運動亢進、中毒性精神障害注2) 作用消失後の眠気、抑制、不機嫌・不快感、けん怠感、易疲労感 |
頭痛・頭重、注意集中困難、神経過敏、不眠、眠気 | 不安、焦燥、易怒・攻撃的、行為心迫、うつ状態、幻覚、妄想、眩暈、振戦 |
消化器 | ― | 口渇、食欲不振、胃部不快感、便秘 | 悪心・嘔吐、下痢、口内炎等 |
循環器 | ― | 心悸亢進、不整脈 | 頻脈、血圧上昇、血圧下降等、胸部圧迫感 |
血液 | 血小板減少性紫斑、白血球減少、血小板減少、貧血 | ― | ― |
肝臓 | 黄疸、肝機能検査値の異常(AST(GOT)・ALT(GPT)・Al-P上昇等) | ― | ― |
その他 | 発熱、体重減少、頻尿、脱毛等 | 排尿障害、性欲減退、発汗、筋緊張 | ― |
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。 〔動物実験(ウサギ)において大量投与(200mg/kg/日)により催奇形性(二分脊椎)が報告されている。〕
(1)6歳未満の幼児には投与しないこと。〔安全性が確立していない。〕
(2)小児に長期投与した場合、体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。
徴候、症状:主に中枢神経系の過剰刺激及び過度の交感神経興奮に起因する次の諸症状
嘔吐、激越、振戦、反射亢進、筋攣縮、痙攣(昏睡を続発することがある)、多幸感、錯乱、幻覚、せん妄、発汗、潮紅、頭痛、高熱、頻脈、心悸亢進、不整脈、高血圧、散瞳、粘膜乾燥
処置:症状に応じた支持療法を行う。自己損傷の防止、過刺激症状をさらに悪化させる外部刺激の排除に留意。
徴候、症状がそれほど重篤でなく、患者に意識がある場合には催吐あるいは胃洗浄によって胃内容物を除去する。重篤な場合は胃洗浄の前に短時間作用型バルビツール酸系薬剤を用量に注意し投与する。血液循環と呼吸の維持に集中治療を行う。高熱に対しては物理的な解熱処置をとる。リタリン過量服用に対する腹膜透析、血液透析の有効性は確立していない。
(1)適応外疾患〔注意欠陥多動性障害(ADHD)〕に対する投与で、全身痙攣が報告されている。
(2)メチルフェニデートの長期発癌性試験の結果、F344/Nラットを用いた試験では癌原性は認められなかった。B6C3F1マウスを用いた試験では、雌雄両性で肝細胞腺腫の増加、60mg/kg/day投与群の雄で肝芽細胞腫の発現がみられている。
(3)メチルフェニデートはSalmonella typhimuriumを用いたAmes試験では突然変異誘発性は認められなかった。チャイニーズハムスターの培養卵細胞を用いた試験では姉妹染色分体変換と染色体異常の増加がみられ、弱い染色体異常誘発性が認められている。
*(4)海外において、器質的心疾患を有する小児に対する中枢神経興奮剤(アンフェタミン、メタンフェタミ、メチルフェニデート等)の投与例で、突然死が報告されている。 →使用上の注意改訂のお知らせ
健康成人に14C-塩酸メチルフェニデートを経口投与した研究では、血漿中14Cが最高濃度を示すのは投与後約2時間で、この14Cは主に代謝産物によるものである。投与後8、48時間での尿中排泄率はそれぞれ50、90%であり、糞中には極く少量しか排泄されない。
尿中の主要代謝産物は脱エステル化体で、投与量の80%を占めている。14Cの半減期は尿中排泄率より計算して7時間である。2)(外国人のデータ)
ナルコレプシー
一般臨床試験において、ナルコレプシーに対する有効率は89.6%(95/106)であった。
また、二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められている。
塩酸メチルフェニデートは大脳半球及び脳幹に高く分布することが認められており(ラット・経口投与)上位運動中枢及び知覚・感覚系に作用することが示唆されている3)が作用機序についてはいまだ明らかにされていない。
マウス、ラット、ウサギ、イヌにおいて塩酸メチルフェニデート0.5~5mg/kgの経口又は非経口的投与により運動の亢進、攻撃的行動、闘争的衝動等の中枢性興奮症状が認められている。4)
マウスに塩酸メチルフェニデート15mg/kgを経口投与し、振動カゴを用いて観察した実験では投与1時間後に未処置群の4倍の運動量を示し、またラットによる回転カゴ実験において10mg/kgを経口投与した場合には著明な自発運動の亢進が認められている。4)
塩酸メチルフェニデートの運動亢進作用はその強さ及び持続性においてメタンフェタミン、カフェインのほぼ中間であることが認められている。4,5)
REM型ナルコレプシーの患者(13例)に塩酸メチルフェニデート(10~40mg)を投与し、同じ日の午前(無投薬)と午後(試験薬投与後)の2回反復して1時間のポリグラフィを行い両記録を比較した結果、覚醒維持機能の指標となる入眠前覚醒持続時間(入眠潜時)が3.5倍に延長し強力な覚醒作用を持つことが認められている。また、REM睡眠抑制効果の指標となる入眠時REM期の持続時間の短縮が認められ、REM睡眠抑制作用の存在が示されている。
構造式:
*本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、投薬期間は1回30日間分を限度とされています。
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製造販売
ノバルティス ファーマ株式会社
東京都港区西麻布4-17-30
製造
日本チバガイギー株式会社
東京都港区西麻布4-17-30