甲府放送局

2007年10月15日 12時26分更新

“山梨の医療課題考える”


山梨県の医療について市民の立場から考えるフォーラムが甲府市で開かれ、地域格差のない医療などをテーマに意見交換を行いました。

このフォーラムはがん患者で作る市民グループが主催したもので、会場の甲府市の山梨学院大学の会議室には病院関係者など15人が集まりました。

はじめに山梨学院大学の今井久教授が、経済の立場から医療について分析し、県立中央病院の累積債務がすでにおよそ120億円に達するなど、今後高齢化がさらに進む中で山梨県の医療を取り巻く状況はきわめて厳しいと報告しました。

続いて市民グループの代表を務める若尾直子さんが、みずからの体験を踏まえながら県内の医療の課題について話しました。

この中で若尾さんは「乳がんで脇のリンパ節を取り除くと腕にむくみが出ることがあるが、県内にはその分野の専門医がいないなど、都市部では当たり前の治療が受けれない」などの問題点を指摘し何に重点を置いて地域医療の充実を図るのか十分検討する必要があると訴えていました。

また出席者からは「県内の公共交通機関は十分とは言えず、高齢者の利便性をよく考えて病院の体制を検討しなければならない」という意見が出されていました。