◇Q・2歳9カ月の娘、朝から晩まで「いやいや」
2歳9カ月の娘が朝から晩まで「しない」「やらない」と、私の言うことに反発します。反抗期のせいと分かっていても、ついどなってしまいます。なぜ「いやいや」ばかり言うのか、子どもの気持ちを理解できたら、もう少しイライラせずにすむのではと思います。この時期をうまく乗り切る方法があれば教えてください。(神奈川県、34歳母親)
◇A・時が解決 イライラのはけ口を作って
お子さんは自我が噴き出しているのです。自分はお母さんとは違う人ということに気づき、自分を意識し、プライドを持ち、大事にしようと思っているのです。それが親からみれば反抗期ということですが、第三者からみれば「自己主張できるようになって、おめでとう!」ということでもあるのです。とはいえ、その連続はつらいものがありますよね。
「いや」「やらない」という理由を理解して、子どもの気持ちを落ち着かせるのは、無理かもしれません。「お母さんのいう、ここが、私には納得できない」などという整理された理論的反抗ではないのです。ほら、あなたが子どものころ、勉強しようかなと思っているときにお母さんに「勉強しなさいよ!」と言われるとカチンときて「もう、しない!」と思ったことがあるでしょう? あれと似たようなもので、押しつけられる感じがいやなのです。じゃあ、黙っていればいいかというと、言われなければ言われないで大事にされていないようでいやなのです。ですから、どうしようもないということです。
残念ながら、今の「いやいや」期をパスして、一気に成長させたり、突然素直にさせる手だてはありません。子どもにどう対応したらよいかを考えるより、イライラするあなたのはけ口を作ることをお勧めします。
「まったく子どもは、ままならぬー」なんて、でたらめな歌を大きな声で歌うとちょっと吐き出せますよ。または、ヤケ食いをする。ハンバーグでも作って、思いっきり肉をたたきつける。もっと爆発しそうなら、お茶わんを思いっきり投げつけて割る。子どもに向けてはいけませんよ、けがしたら大変ですからね。後で後悔しないように、安いお茶わんにしましょう。子どもを寝かして、夫にありったけ愚痴るのもいいです。
個人差はありますが、「いやいや」期は遅くとも3歳末には落ち着いてくるでしょう。子どもの育ちは思い通りにはいかず、親も子もつらくなってしまうことがあります。子どもから目をそらして、イライラを吐き出す方法や、しのぐ方法を見つけるのも大事です。
毎日新聞 2007年10月14日 東京朝刊