ここから本文エリア 小児科医の診療着々 青森市急病センター2007年10月14日
常勤1カ月 患者3・2倍に増える 重症者担う市民病院などと役割分担 青森市医師会の小児科医が市急病センター(同市中央1丁目)に常駐するようになって1カ月。この間、小児科専門医の診察を受けに同センターを訪れた患者は、昨年同期の約3・2倍に増えた。比較的症状の軽い一次救急患者の多さに頭を悩ませる市内の総合病院では負担が緩和されつつあり、同センターへの期待が高まっている。(北澤拓也) 市健康福祉部によると、小児科医が常駐した先月10日から1カ月間に同センターの小児科を受診した患者は382人。昨年の同じ期間の121人を大きく上回った。以前は内科医が小児診察も兼ねていたが、同部は「専門医が診る方が親も安心して利用できるのでは」と見ている。 10日夜、熱を出した9カ月の幼児を連れて来た市内の女性は「昼間は仕事で病院に行けず、今までは県立中央病院の夜間外来を利用していた。こどもの病気はやはり小児科の先生が信頼できます」と話す。 夫婦共働きや核家族化で、子どもが風邪を引いたりしても昼間に病院を受診できず、大病院の夜間外来などを利用する人が多いという。小児科医の常駐は、重症患者の救急医療を担う基幹病院の負担を軽くする狙いがある。 青森市民病院では9月10日から30日まで、時間外で小児科を受診した患者が昨年同時期より55人減り、111人になった。事務担当者は「急病センターに患者が流れた」と分析。同病院には小児科医が5人いるが、当直勤務につく医師は2人で、「勤務状況は依然厳しい。センターの利用がもっと定着するといい」という。 実際、センターで診察を受けた382人のうち、症状が重く、他の病院に移送した患者は9人だった。多くは発熱や軽いけがなどで、センターでの処置や開業医にかかれば十分に対応できる症状だった。 事故や病気の重篤患者を受け入れている県立中央病院の斎藤兄治・救命救急センター長も「一次救急の患者数が少なくなった印象がある」とし、「医師不足が深刻な今、病院間の役割分担を明確にすることが大切だ」と指摘している。 青森市急病センターの診療時間は毎日午後7〜11時。日曜祝日は正午〜午後6時も受け付けている。 マイタウン青森
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