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環境・自然・科学
南極内陸3000キロ調査へ 道内から2研究者、新機材で氷床探る
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(左)「何か新しいものを見つけたい」と話す榎本教授(右)「アルプスの経験を生かしたい」と意気込む杉山講師 |
国立極地研究所(東京)は十一月に日本を出発する第四十九次南極地域観測隊で、大陸内部の気候や氷床の動きの仕組みを探るため、スウェーデンと合同で大陸内陸部に調査隊を派遣する。三千キロを二カ月以上かけて行う調査には、寒冷地での研究経験が豊富な北海道の科学者が全行程にわたって参加する。大陸の地形を探り、氷河の下に眠る新たな湖の発見も期待される。
参加するのは北見工大土木開発工学科の榎本浩之教授(49)=雪氷学=と北大低温科学研究所の杉山慎講師(38)=同=。
調査隊は、昭和基地で観測活動を続けている四十八次越冬隊の四人を含む計八人。スウェーデン隊は九人。国際極年(二○○七−○八年)を契機に、南極の東部に基地を持つ両国が、初の共同調査を行うことになった。
両国の調査隊は十一月中旬に昭和基地、スウェーデンのワサ基地をそれぞれ雪上車で出発。日本隊は富士山よりも高い観測点ドームふじ(三、八一○メートル)を経由し、標高二、三千メートルの尾根沿いを移動。両隊は「クリスマスイブ」の十二月二十四日に、昭和基地から南西約千キロの地点で合流する。
長距離の連続観測や研究者交流のため、合流時に隊員二人を交換する。日本からは榎本教授と杉山講師が、帰途に就くスウェーデン隊に加わり昭和基地から西に約二千キロ離れたワサ基地へ行く。
行程は日本列島縦断に匹敵する約三千キロ。ワサ基地には一月末に到着する。二人は飛行機でロシアのノボラザレフスカヤ基地、アフリカのケープタウンを経由し、二月に帰国する予定。
調査は《1》過去五十年間の降雪量の変化《2》内陸部にある氷床の内部構造《3》地下三千メートルにある湖の分布や形状−などが主な内容で、百−二百キロごとに深さ十メートルの雪を採取する。また、地表近くで岩石などの物体が自然放射する微弱なマイクロ波をセンサーでとらえ、氷床の内部や底部の構造、湖の分布状況などを調べる。
従来のセンサーは、重さ約二百キロで移動が難しく使用は基地周辺に限られていた。今回は北見工大と三菱電機特機システムが共同開発した、重さ七キロと超軽量のセンサーを使う。雪上車から電源を取り、画期的な連続調査が可能になった。
榎本教授は「人工衛星で発見できなかったことまで見つかるかもしれない。内陸部は未知の部分が多く、南極解明の手がかりになる」と話す。氷河の下の湖の姿が明らかになれば、極限状態で生きる生物など、新たな研究分野につながることも期待される。
「大学時代は山登りに熱中していた。その延長線にあるのが南極。未知の研究に挑戦したい」と日本の観測隊に加わるのが二回目の榎本教授。南極は初めての杉山講師も「欧州アルプスの氷河の研究が南極につながった。世界に発信できる調査にしたい」と夢を描いている。
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