はるか冷戦の時代…アメリカとソ連は様々な技術競争を行っていました。
宇宙開発に、軍事競争、そして列車競争…
ええ、あまり知られていないのかも知れないのですが、この2つの大国は、列車でも覇を競っていたのです。
これがその時の列車の写真。頭になんだか格好良いものがついてますねぇ? これ、戦闘機のエンジンなんですよっ!
向かって左の写真は、1966年にニューヨーク・セントラルで開発されたディーゼル機関車(RDC)です。以前も紹介しましたが、頭についているのは当時アメリカ空軍の主力爆撃機だったB-36Dに搭載された、GEのJ47-19ターボジェットエンジンです。
「ジェット機のエンジンを列車にとりつけたら、速く走れたり?」とどこかの誰かが閃いたのでしょうか…ツインテールならぬツインジェットのビジュアルには萌えまくりですが。
ちなみに、当時アメリカはこのRDCを「時速286kmでオハイオまでの旅列車!」と宣伝していた、とのこと。
そして右の写真は、ソ連の「ER22」です。スピード・ワゴン研究所(!)にて開発されたもので、頭にはソ連製旅客機Yak-40のジェットエンジンを搭載しています。車体デザインはまるで新幹線のようですね(1964年、日本では既に新幹線が時速209kmで走っていました)。
このER22の最初のテスト走行は1971年。平均時速187km、いきなり最大時速248kmまで達成したそうです。ソ連がこれから列車でもアメリカを追い上げてくるのか~? と思ったら…
残念なことに、列車の速度競争においては、日本の新幹線とヨーロッパのTGVがジェットエンジン非搭載で、もっと速いものを次から次へと発表しはじめたのです。ジェットエンジン付き列車のコンセプトは、その競争についていくことができず、オールドテクノロジーとして徐々に消えていってしまいました。
しかしこの斬新なデザインは、いつまでも人々の心に残るはず! 以下に、その萌え萌えな写真ギャラリーを置いておいたのでどうぞご覧ください。発車~オ~ライ!
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-JESUS DIAZ (原文/訳 : yuka)
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