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【コラム】韓国人は「沖縄集会」を取り違えるな(下)

 最近、沖縄で日本政府の歴史歪曲(わいきょく)をめぐる抗議集会が開かれたことが、韓国の一部で共感を呼んでいるらしい。第2次世界大戦当時、沖縄の住民に対する「集団自決の強要」があったかどうかという問題と、「慰安婦の強制動員」があったかどうかという問題が、同じ系統の問題のように映るからだろう。

 しかし沖縄の問題は、本質的に日本の内政問題だ。沖縄は今、歴史を日本に委ねてしまったツケを支払うはめになってしまったと言えるかもしれない。もし日本政府が教科書の内容を再検討して「強要」との記述を復活させたとしても、それは独立を放棄したことへの対価の一部と言えるかもしれない。日本に以前から存在する沖縄に対する同情論と、日本政府の過去の対応を考えたとき、今回の問題は沖縄の人々が求めている形で決着がつくはずだ。

 沖縄を見ていて気がつくのは、歴史問題をめぐる韓国と沖縄の対処法に類似点があることだ。市民が大勢集まって糾弾することで、日本のメディアが大きく書き立て、世論に対し日本政府が対応するという一連の流れは、両者に共通している。韓国人が今回も沖縄の問題の本質を見誤り、「なぜ沖縄の言い分は聞き入れながら、韓国を無視するのか」と主張すれば、それは子どもの駄々(だだ)と同じで、恥ずべき行為だ。

 もちろん日本政府は沖縄に関しては教科書の内容を修正しても、韓国に対してそうすることはない。それは韓国が独立を取り戻した国だからだ。だから韓国には沖縄のように、市民が集まって抗議を表明する必要もない。われわれには政府もあれば、独自の教科書もあるからだ。われわれは真実を記した教科書を子孫に伝え、韓国政府を通じて偽りの歴史を語る日本を非難すればよい。

 沖縄で抗議集会が行われたのも、自分たちの歴史を保護してくれる国も、政府も、それを伝える教科書も存在しないからだ。独立を放棄した沖縄から、われわれが学ぶべきことなど何一つないのだ。

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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