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October 13, 2007

 内藤大助の戦い。
[ ヒラカワの日常 ]    

「店主、何か言ってやってくださいよ。
店主が何を言うか、待ってる人もいるみたいですよ。」
と、三丁目食堂の木村くんがDVDをくれた。
確かに、俺はボクシングについて、これまで熱く語ってきた。
それはファイティング原田の飢餓についてであり、
ナジーム・ハメドが世界に与えた驚愕であり、
長谷川穂積が追い求めている拳闘の理想であり、
アリとフォアマンのキンサシャの奇跡の物語であり、
カシアス内藤の苦い人生の奇跡についてであった。
何故、これほど惹きつけられるのか。
そこに、人生というものには本来あってはならないが、
すべての動物の本能に隠れているような何か、
つまりは後先の無い、一瞬の燃焼、生存を賭けた沸騰と怜悧の交錯
そして、世のためにも自分のためにも、
何の役にも立たない情熱―完全な「無」意味の跳梁が
あるからである。
この一瞬の蕩尽に比べれば、
ボクサーの悲惨な生い立ちの物語も、
老トレーナーの見果てぬ夢も
色あせた添え物に過ぎない。
ボクシングは、もっとも人間くさいスポーツでありながら、
人間の世界を超え出る一瞬を垣間見せてくれる。

あらゆるスポーツの中で、
ボクシングは、もっとも古い起源を持ち、
もっともシンプルで、だからそこ、もっとも過酷なものである。
戦う相手のこころを折って勝敗を決するどつき合いという
形態が過酷なわけではない。
激しい減量や、トレーニングが過酷なわけではない。
いや、勿論、ボクサーは他のどんなスポーツよりも、
肉体的な過酷さを要求されるスポーツであるかもしれない。
しかし、世界の頂点で戦うようなアスリートであれば、
肉体的な過酷さは、肉体を保持する必要な条件ではあっても、
それが中心的な課題ではないことは誰でも知っている。
ボクシングが過酷なのは、
他のどんなスポーツよりも、
勝者と敗者の明暗がくっきりと分かれることだろうと思う。
いや、ボクシングにおいては、勝者ですら、
祝福されることはなかったことを、
フレイジャーが、アリが、大場が教えてくれている。

「店長、いつになったら、内藤・亀田戦についてのコメントを
聞かせてくれるんだよ」と言われるかもしれない。
いや、これが俺のコメントなのである。
内藤・亀田戦そのものについてはどうなのかって。
いや、いい戦いだったと俺は思う。
俺は十分に堪能させてもらった。
あれは、いい戦いだった。
ただし、内藤にとって、いい戦いであったということである。
自分が愛し打ち込んできたボクシングの「理想」に
ボクシング以外の暴力によって泥を塗られたと思った男が
この危険な戦いを志願し、自分とだけ戦うように
12ラウンドを戦い、自分に勝利したのである。
もう一度、ビデオでよく見てほしい。
いかに、内藤が自分の恐怖や、怒りや、うんざりとした気持ちと
戦っていたかが良くわかるはずである。
この、ボクサーとしては峠を過ぎた、老練なボクサーは、
自らの体力と精神の限界まで歩み出て、
ボクシングとは別の、マスコミの人間の権勢欲や、視聴率の魔物や、
金銭欲や、ボクシングを知らない連中の無言の恫喝、といった
形の無い巨大な圧力と戦っていたのである。
TBSの担当以外の関係者も、芸能人も、評論家も
この圧力と単独で戦うという危険を犯さなかった。
皆、当事者のいないところで鬱憤を溜めていたのである。
内藤大助は、我知らず進み出てしまった正直者のように
大きな圧力と単独で戦ったのであり、
そのことはとりわけて称えられる価値がある。
職場だろうが、世間だろうが同じことだ。
誰もが内藤になれたのに、
内藤になれなかった人々の溜飲を下げるために、
内藤大助は単独でリングに上がったのである。

亀田について?
いまのところ、話すことは何もない。
もし、アドバイスを求めてきたら、
「はやく親離れしなさい」と言いたいだけである。
あ、それから、
「ボクシングでもやったらどうか」とも。




Last updated  October 14, 2007 02:57:26
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