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海自給油:「中止は同盟関係に影響」…米国防科学委員長

 【ワシントン笠原敏彦】米国防総省の諮問機関・国防科学委員会のウィリアム・シュナイダー委員長は10日、毎日新聞と会見し、海上自衛隊によるインド洋での給油活動継続問題について「危険度の低い給油活動すら継続できないなら、日本の信頼度が問われる」と述べ、同盟関係の在り方に影響を及ぼしかねない事態だとの認識を示した。また、継続できない場合は、日本の国連安保理常任理事国入りを支持する米国の立場に水を差す、とも指摘した。

 委員長はまず、給油活動を99年の日米防衛指針(ガイドライン)関連法成立後の「日本の大きな政治的変化の産物」だと評価。国会での継続論議を見守る米国の視点を「問われているのはその変化が長期的なものなのか、それとも一部の政治指導者の時代に限ったものだったのかということだ」と説明した。

 その上で、問題が日米同盟に与える影響について「控えめな給油活動も続けられないなら、日本は何を継続できるのか。米国と日本、豪州の3カ国で21世紀の新たな同盟構造を模索しているが、日本にいかなる関与を期待できるのか疑問をもたらす」と語った。長期的な安全保障戦略の立案には、パートナーの信頼性が重要だとの指摘だ。

 日本で焦点になる燃料の使用目的では、「米国はイラクでの攻撃作戦とその支援には使っていないと保証できるだろう」としながらも、「空母への給油の場合、艦上から飛び立ったE2(早期警戒機)がインド洋上でイラク関連情報を探知すれば、イラクの戦場へ伝えないとは言えない」と述べ、厳密な区分は作戦上の各国の関係を困難にするとの見解を示した。

 さらに、日本が目指す安保理常任理事国入りに関し、「日本が安全保障上の役割を受け入れることが困難なら、なぜメンバーになる必要があるのか」と疑問を呈した。

 シュナイダー氏はレーガン元大統領時代に国務次官を担当。ミサイル防衛(MD)での協力などを通して日本との関係が深い知日派。

毎日新聞 2007年10月14日 3時00分

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