カラの空
ザックス視点→アンジール
ネタバレ有り。2話までクリアした方向きです。
アンジールと俺
俺達はいつも一緒にいた。
俺の夢は、1stソルジャーになってセフィロスのように英雄になることだった。
アンジールは俺の夢を理解してくれて
1stソルジャーになるために戦闘の手ほどきをしてくれた。
俺の尊敬する1stソルジャーの一人だった。
面倒見が良くて俺の我が儘もよく聞いてくれた。
俺はアンジールが大好きだった。
彼といると俺は絶対1stソルジャーになれる気がした。
彼が俺の肩に手をおくたびに、
期待されてる自分が嬉しくて、俺は彼の期待に応えようと頑張った。
彼は僕の当面の目標であり師匠みたいなものだった。
父であり兄であり家族のような存在のアンジール。
温かい彼のその眼差しが俺に力を与えてくれた。
俺は戦うときには、いつも彼の言葉を思い出した。
自分の目標を見失わないように・・・・。
それなのに・・・・・・それなのに・・・・
アンジールは突然に俺の前から消えた・・・・。
何の前触れもなく、一言も話さずに・・・・。
俺の前を歩いていた彼が、突然いなくなり
不安に後ろを振り向いたがそこにもいなかった。
「アンジール!何処行ったんだよ!!」
俺は大声で彼を呼んだ。
まるで迷子になった子供の様に・・・・。
彼の携帯に電話をかけても音信不通で繋がらない。
それから1ヶ月以上も一言の連絡も来なかった。
もしかして何か事件にでも巻き込まれているのではないのか・・・?
俺の不安はいっそう大きくなっていった。
彼が死んだという知らせも無く、
彼を捜す当ても無くて
俺はアンジールに見捨てられた気分になった。
そんな悲しさとは裏腹に
俺は1stソルジャーになったと神羅から通達を受けた。
アンジールと行った、ウータイの任務の功績が認められたからだ。
あんなになりたかった1stソルジャー・・・・・・。
でもそれを一番に報告して祝ってもらいたい相手が
俺の側にはいなくなった。
俺はそのことの方が悲しくて、とても喜ぶ気になれなかった。
こんなはずじゃなかった。
俺が望んでいた1stソルジャーは・・・・。
アンジールがいてセフィロスがいて・・・・俺の好きな人が俺の側にいてくれて・・・。
彼らの笑顔が俺に向けられていて・・・。
俺はそれに答えて笑って感謝する。。
そうやって皆に祝って欲しかった・・・・・。
でも俺の中の一番に祝って欲しいアンジールはもう側にいない。
アンジール・・・・アンジール・・・・アンジール・・・・
彼がいないことがこんなにも辛い事だったなんて・・・・。
悲しみが怒りに変わっていくと俺は彼を責めるようになった。
どうしていなくなる前に俺に相談してくれなかったのか・・・・?
何故・・・?いつも一緒にいて彼の事は何でも知ってる気になっていたのに・・・・
俺はアンジールの事を何も知らなかったのだろうか・・・?
知った気になっていただけで、
本当はアンジールにとって負担になっていたのだろうか・・・?
答えを得られない悔しさで
涙がこぼれ落ちる濡れた頬を皮手袋で拭って俺は拳を握った。
会いたい・・・・会いたい・・・・会いたい・・・・・アンジール・・・・。
もう一度会うことが叶うなら・・・・・。
俺は1stソルジャーになった、この拳で
アイツの顔を思いっきりぶん殴ってやるんだ。
俺はそれまでこの神羅にいて
彼を待ち続ける・・・・。
そして探し出してやる・・・・・。
俺はそんな気持ちでアンジールのいない
カラの空を見つめた・・・・・。
アンジールもこの世界の何処かで
カラの空を見つめていると信じながら・・・・・・・。
読んで下さって有り難うございます。
ザックスのアンジールへの想いを書きたかったんです。
タダそれだけ・・・・。楽しかったです。
設定が違っているトコロが多々あります。
失踪した後もたびたびザックスのトコロに
顔を出すアンジールが超萌です。
ザックスの事がどんだけ好きなんだ〜〜〜萌萌。