世界史教育のない世界化
世界史の教育なしに世界化を騒ぐこと程ナンセンスなことはない。70年代から始まった世界史の冷遇は古い排外主義時代の世代を量産し、そのような面で韓国の教育政策は、豊かな教養を身につけることのできる学生達を知的荒廃化の道に追い込んでいるのではないかと懸念せざるを得ない。
中高生の歴史教育は建国以降、持続的に萎縮し、その価値さえ揺れ動いている。特に、今年から年次的に適用され始めた第7次教育課程と共に、高校の世界史教育は生存と廃退の分かれ道に立っている。世界史が2~3年の社会科深化選択科目9つのうちの1つへと比重が落ち、なんとか持ちこたえていた命脈さえ切れてしまうのではないかという所にまで来ている。歴史教育研究会をはじめとした関連学界が調査した現場の雰囲気を見ると、来年から世界史を選択する学校は10校中1校にしかならないという。
歴史学習は時空を超えた人間の生き様と智恵を探求する。人文学的な面でも必要だが、他民族・他地域を理解することを通じて、自分が属する共同体の志向点を模索する実用的な道具としても緊要だ。現在はどの民族も国家も孤立しては生きていけず、地球のあらゆる国の歴史や文化に対する理解を持っていなければならない「世界化時代」だ。その「世界化」が国家的な目標として浮上した90年代に入ってから、各学校の世界史教育の優先順序が下がり続けているということは矛盾であるとしか言えない。
もちろん、限定された教育課程にそれぞれ重要性を主張する科目をすべて受け入れることはできない。従って問題解決の第一歩は、国史と世界史を両者択一または対立関係として設定した現在の接近法を改める所から始めなければならない。「世界の中の韓国」を見ることができる目は、世界史の中の韓国史を見ることができてこそ養うことができる。
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