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JR四国バス、初の女性運転士

2007年10月12日

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大型バスに乗り込む福岡典恵さん。「ここに座れるだけでも幸せ」とはにかむ=高知市北本町2丁目のJR四国バス高知支店で

 高知市の福岡典恵さん(21)が、JR四国バス(本社・高松市)で初の女性運転士として採用され、高速バスの乗務を始めた。長さ約12メートル、排気量約2万cc大型バスをきゃしゃな体でさっそうと走らせる福岡さん。「女性ということは、全く意識しない」と、おっとりとした口調の中にも、確かな自信をのぞかせている。

                            (小寺陽一郎)

 福岡さんが、バスの運転士を目指したのは県立山田高校3年の夏、所属していた写真部の合宿で乗った観光バスの男性運転士と話をしたのがきっかけ。バスをいとおしむようなクラッチ操作、部員一人一人に「いってらっしゃい」と声をかける気遣い。視線は運転士の後ろ姿にくぎ付けになった。

 数カ月後、福岡さんは進路をバスの運転士と決め、高校卒業直前の3月に普通免許を取得。大型2種免許の受験資格が得られるまでの3年間は実家の青果業を手伝った。今年6月に同社の高知支店に採用になり、座学や高速道路走行など約3カ月間の研修を終え、今月5日の高知発高松行き高速バス「黒潮エクスプレス号」から本乗務をスタートさせた。

 同社運転士175人の中でただ一人の女性で、最年少。副支店長の宮島文洋さん(48)は「同時に採用試験をした7人の中でも一番ブレーキ操作がなめらかだった」と振り返る。

 全長約12メートルの車体を扱うには高度な技術と体力が要求される。「運転席の後ろに車輪がある感覚が難しいんです」と話す福岡さん。「今はとにかくうれしい気持ちでいっぱい。お客さんにも同僚にも信頼される運転士になりたい」と意欲を力強く語った。

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