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アフガン拉致:強まる身代金支払い説

 紛争地域で拉致された人質の救出過程で最も重要なのは身代金だ。今回の韓国人拉致事件でも、外電は身代金支払いの有無に関心を寄せた。しかし、通常は金額どころか、支払いの有無さえ確認できない。韓国政府とタリバンは「裏交渉はなかった」として、身代金の授受を否定している。

◆韓国交渉団、7000万ドルを準備

 

 ソウルの外交消息筋によると、韓国の交渉団は計7000万ドル(約81億2000万円)を手にアフガニスタンに出発したという。この金額には長期滞在に伴う経費が含まれているが、相当部分が身代金だった可能性がある。

 

 韓国駐在の外交関係者の間では、「韓国政府が人質一人当たり50万ドル(約5800万円)を支払った」という話が出ている。 また、中東のカタールの衛星テレビ局アルジャジーラは29日、「カブールで韓国の交渉団がタリバンに2000万ポンド(約46億2000万円)を手渡したといううわさが出ている」と報じた。この金額が事実ならば、釈放された人質21人の身代金は一人当たり18億ウォン(約2億2200万円)だったことになる。

 29日付の米ニューヨーク・タイムズも「カブールでは韓国政府が身代金を支払ったといううわさが広まっている」と報じた。 さらに、英BBC放送と米時事週刊誌タイムも「(釈放条件に)金銭に対する言及はないが、身代金が取引に含まれた可能性がある」と報じた。

◆センムル教会、航空運賃と遺体輸送費を負担へ

  一部の国がタリバンに拉致された自国民を救出するために身代金を支払ったという話は、これまでにも相次いでいた。昨年10月に拉致され、その後解放されたイタリア人カメラマンの身代金は200万ドル(約2億3200万円)と伝えられた。この金額は、アルジャジーラが報じた韓国人人質に対する身代金と同水準だ。このほか、仏ルモンド紙はフランス政府が今年4月に拉致された人道支援団体メンバー二人の釈放に500万ドル(約5億8000万円)を準備していたと報じている。

 また、昨年1月にイラクの武装組織に82日間拉致された米日刊紙クリスチャン・サイエンス・モニターのジル・キャロル記者の場合、米政府がアラブ首長国連邦(UAE)のイラク現地支援団体を通じ拉致勢力と交渉を行い、身代金の支払い額が最大1000万ドル(約11億6000万円)に達したとの説が流れた。しかし、当事国は身代金支払いの有無を確認していない。

 一方、日本政府は2004年4月にイラクで拉致された日本人3人に対し、航空運賃と診療費の名目で237万円を請求したことがある。韓国人の人質らが所属するセンムル教会は「身代金支払いに関しては、外交通商部から全く聞いていない」とした上で、拉致された被害者の航空運賃と犠牲者二人の遺体輸送費用を教会が全額負担する方針を明らかにした。

イ・ソクホ記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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