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11日の試合で判定結果を待つ亀田陣営(左から)和毅、興毅、史郎氏、大毅 [写真を拡大]
11日のプロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチで敗れた上、悪質な反則行為をした亀田家二男・大毅(18)=協栄=ら亀田陣営に対し、日本ボクシングコミッション(JBC)が厳重な処分を検討していることが12日、分かった。過去2度の処分を受けているトレーナーの父・史郎氏(42)は3か月以上のライセンス停止処分が濃厚。大毅の世界戦惨敗に続き、司令塔の危機で亀田家が大ピンチに陥った。
亀田VS内藤の因縁の世界戦は、まだ終わってなかった。JBCの安河内剛事務局長によると、11日の世界戦後、テレビ視聴者などから大毅の反則行為に対する苦情や意見が殺到。各ジムで構成する業界団体の東日本ボクシング協会が、15日の理事会で緊急議題として取り上げることを決めたことで、ルールを取り仕切るJBCも追随。東日本協会の理事会後に倫理委員会を開き、世界戦ビデオを検証することを決めたという。
世界初挑戦で大毅は0―3の大差判定で惨敗。JBCでは、最終ラウンドで大毅が王者の内藤を2度投げたことを、選手生命を危機にさらす悪質行為と見ており、大毅本人の処分を検討。また、セコンドの亀田史郎トレーナー、所属の協栄ジム・金平桂一郎会長(41)の監督責任も追及される見込みで、場合によっては同委員会に呼び出し事情聴取を行う可能性も出てきた。
セコンド陣の反則行為への“指示疑惑”も上がっている。JBCが問題視するのは、11ラウンド開始前の1分間のインターバルでの兄・興毅(20)と史郎トレーナーの発言。テレビでは「ヒジでもいいから目入れろ」「玉(急所)打ってまえ」などの声が入っている。安河内事務局長は、ビデオ検証で実態が把握されれば、即日厳罰処分もあるとした。
すでに12日午前中には金平会長はJBCに謝罪。15日の東日本協会の理事会には謝罪文を提出するという。ただ、史郎氏は過去2度の処分を受けており、3か月以上のライセンス停止は免れそうもない。1回目の昨年9月は東京・後楽園ホールでの観客との乱闘騒動、2度目は今年3月の試合でレフェリーら試合役員に暴言を吐いたとして、ともに厳重戒告処分を受けた。JBCからは前回の処分の際、「次は厳罰処分を科す」と最後通告を突き付けられていた。
一連の行為に、史郎氏はこの日、協栄ジムを通じてコメントを発表した。「反則行為は、故意ではありません。大毅の若さ、精神的な未熟さが出た結果だと思います。セコンドについたトレーナーとして大毅の反則行為を止められなかった事は反省しております」と指示への関与を否定して謝罪。さらに「ただこれも闘志の表れであって、結果として反則行為となってしまったことをご理解していただきたい」と訴えた。
◆JBCの罰則規定 軽い方から警告、厳重戒告、ライセンス停止(1か月、3か月、6か月、1年、無期限)、同はく奪となっている。選手、セコンド、トレーナー、クラブオーナーなどが処分対象。選手の罰則には、これにファイトマネーの減額・没収が加えられる。1年以上のライセンス停止、はく奪は、過去は刑事事件で実刑が科された場合などが理由で、試合での反則行為に適用された前例はない。
(2007年10月13日06時03分 スポーツ報知)