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成田、関空に放置車両250台 7千万円徴収できず

2007年10月09日21時12分

 成田、関西両空港の駐車場に計250台の車が長期間放置され、徴収できずにいる駐車料金が少なくとも計約7000万円にのぼることが、会計検査院の調べでわかった。放置車両の累計は、成田が記録の残る02年度以降で189台、関空が94年の開港以来61台あるという。両空港は当初、他人の財産である車の売却や廃棄に消極的だったが、検査院の指摘を受け、入庫後3カ月以上引き取りに来ない場合に車を処分する手続きを始めることを決めた。

 検査院や両空港によると、成田には計3000台、関空は計6300台収容可能な駐車場があり、いずれも20日間続けて駐車できる。事前の届け出なしに20日以上駐車したままの場合、事件とかかわりがないかを警察へ確認し、運輸支局の登録情報をもとに所有者に内容証明郵便を送ってきた。しかし、持ち主からの連絡がないまま、5年以上置きっぱなしになっている車も珍しくなかった。

 成田は02年度以降、60台を廃棄処分にし、関空も今春、軽乗用車15台を処分した。ところが、レッカー移動や所有権抹消手続き、競売手続きなどのコスト負担がかさみ、大半の車は処分されないままだったという。

 検査院は、速やかに車を処分した方が、売却代金や鉄くず代金で駐車料金の一部を回収できると指摘。両空港に保管期間を定めるよう求めた。

 これを受け、両空港は9月26日付で駐車場の管理規定を改正。成田は入庫後3カ月で所有者に引き取りを求めるとともにレッカー移動し、半年で競売手続きに入ることを定めた。関空は入庫から3カ月を過ぎると処分に着手できるようにした。

 成田の担当者は「広い保管場所があってのんびりした対応を取ってきたが、今後は適切に対処したい」。関空の担当者は「お客さんのモラルを信じて待っていたが、捨てる人は確信犯。新たに作ったルールに沿って処理していく」と話している。

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