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大毅に出場停止処分も、25日興毅戦は中止

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11日の世界戦、コーナーで弟大毅に指示を出す亀田興毅。右は父史郎氏
11日の世界戦、コーナーで弟大毅に指示を出す亀田興毅。右は父史郎氏

 日本ボクシングコミッション(JBC)は12日、WBC世界フライ級タイトルマッチ(11日)での亀田大毅(18=協栄)の度重なる反則行為について処分の検討に入った。東日本ボクシング協会などからの調査要求を受け、15日の東日本協会理事会での緊急討議を経て、ビデオを検証する。父史郎トレーナーと協栄ジム・金平桂一郎会長の監督責任、長男興毅(20)の反則指示疑惑も対象になる。早ければ同日中にも亀田親子3人にライセンス停止などの処分が出る可能性がある。一方で25日にパシフィコ横浜で予定されていた興毅のフライ級ノンタイトル戦の中止が決まった。

 お粗末な反則行為の代償は大きかった。世界戦から一夜明けたこの日、大毅の愚行への反響は想像以上に大きかった。141のジムが加盟する東日本ボクシング協会(大橋秀行会長)の会員から、大毅の反則行為やセコンドの言動に非難が続出。都内のJBC事務局も一日中、抗議の電話が鳴り響いた。試合直後は「処分はない」と話していたJBCの安河内事務局長も「しっかりと検証したい」と、処分を検討することを明言した。

 大毅の反則は減点3を受けた最終12回のレスリング行為がクローズアップされた。しかし、内藤陣営の主張では、序盤から悪質な反則行為が断続的に行われていたという。テレビ映像でも投げたり、太ももを殴ったりするシーンが映っていた。悪質な反則行為が証明された場合、「重大な処分が出る可能性がある」と安河内事務局長は話した。

 処分の対象は大毅だけではない。放送されたテレビには父史郎トレーナーが「玉、打ったらええねん」と内藤の股間(こかん)を狙うよう指示したとみられる声が拾われていた。11回開始前には興毅が「ひじでもいいから目に入れろ」と話す声も残っていた。東日本協会の大橋会長は「大毅の反則行為もだが、セコンドの言動の方が問題視されている」と話す。興毅、史郎氏ともに否定のコメントを出したが、亀田家の3人が処分される可能性が出てきた。

 過去に史郎氏はレフェリーへの猛抗議などでJBCから2度の厳重戒告処分を受けている。「再び問題を起こせば重い処分になる」とも通達されていた。「史郎氏には過去の処分を加味したものを出す」と安河内事務局長。さらに「金平会長、トレーナーの史郎氏には監督責任もある」と話した。

 安河内事務局長は15日に都内で行われる東日本協会の理事会に出席。協会サイドの意見を聴取し、同協会の大橋会長、日本プロボクシング協会の原田政彦会長らの話を聞いた上で、JBC事務局で倫理委員会を開き、世界戦のビデオを検証して正式な処分を決める。反則行為、反則指示行為があったと認定された場合、ライセンス停止などの厳罰が下される。

 くしくもこの日、25日に予定されていた興毅のフライ級ノンタイトル戦の中止が、唐突に協栄ジムから発表された。「対戦相手が決まらなかった」という理由だが、前日まで史郎トレーナーも試合への意欲を見せていただけに、今回の問題が影響した可能性が高い。ライセンス停止中は試合もできない。大毅の反則行為は、減点3だけでは済まなくなりそうだ。【田口潤】

[2007年10月13日8時47分 紙面から]

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