罰則強化で飲酒運転根絶 「周辺者」立件 綿密な捜査が不可欠
9月20日7時51分配信 産経新聞
飲酒運転への罰則を強化した改正道路交通法が19日、施行された。自ら依頼して飲酒運転者の車に同乗する行為や、飲酒運転すると知りながら車両や酒類を提供する行為に罰則を設けるなど飲酒運転を助長する「周辺者」を立件対象に広げたのが特徴だ。ただ、現行犯で摘発できるドライバーとは異なり、周辺者の摘発には裏付け捜査が不可欠。飲酒運転による悲劇を食い止めるには「手間」と「時間」をかけた綿密な捜査が課題となる。(森浩、宝田将志)
「きょうから法律が厳しくなりました。飲酒検問にご協力ください」
19日午前0時すぎ。東京都江戸川区の首都高7号線では、下りの右車線に警視庁のパトカー17台と警察官53人が200メートルにわたって並び、検問を行った。
左車線を走ってくる車両を一度に20台ずつ停車させては、次々とドライバーに声をかける。高速道路の本線上での検問は東京都内初の試みで、「飲酒運転の罰則強化を周知させるため」(警視庁交通部)という。
この日、警視庁は全国に先駆け、首都高も含め都内112カ所で警察官583人を動員し、一斉取り締まりを実施。道交法違反(酒気帯び、無免許運転)の現行犯で無職の男(35)を逮捕、酒気帯び運転で6人を摘発した。
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「飲酒運転は減りつつあるが、『自分だけは捕まらない』という悪質なドライバーは根絶できていない」(同)。
首都高の検問では、酒気帯び運転の車への同乗行為も1件あり、交通部は同乗者について、新設された「飲酒運転幇助(ほうじょ)行為」での立件を検討している。
法改正を受け、交通部は「慎重かつ積極的に対応する」と周辺者の摘発に意気込むが、同乗行為やドライバーに酒類を提供する者の摘発にはハードルもある。ドライバーは現行犯で摘発できるが、周辺者は事実関係の裏付けが必要なためだ。
「同乗者が依頼して飲酒運転者の車に乗っていたとしても、『頼んでいない』とシラを切られる可能性がある」(警視庁幹部)。飲酒運転をすると知りつつ酒を提供していても、「車を運転するとは知らなかった」と否認される恐れもある。
ある交通部幹部は「本当に依頼があったかどうか、第三者の証言で肉付けするなど事実関係を立証するには、刑事事件のような地道な捜査が求められる」と指摘する。
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飲酒運転防止は法律だけではなく、官民挙げてのハード面での対策も進んでいる。
国土交通省は「アルコール・インターロック装置」の普及を目指し、装置の技術水準を定めるガイドラインを年内にまとめる方針。
ドライバーがアルコール分のない呼気を吹き込まないとエンジンがかからない仕掛けで、米ニューメキシコ州では飲酒運転違反をしたことがあるドライバーに設置が義務づけられるなど海外での導入は活発という。
日産自動車は8月、“飲酒運転防止車”を開発した。
シフトレバーにアルコール検知センサーを搭載し、手のひらの汗から「酒気帯び運転」相当のアルコール分が検出されると、シフトレバーが固定されて車を動かせなくなるシステム。実用化に向け、検証実験を行う予定だ。
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