UmだすかUmだども No.6 1997.9


UmだすかUmだども表紙06

 "ジェンダー"ってなんだ?

はじめて聞くひとも、もうわかっている人も、あらためて

What is Gender ?
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あなたのジェンダー・チェックをしてください。

  はい いいえ
1 女性は、男性よりもお茶をおいしく入れることができると思う (  ) (  )
2 子育ては男性には向いていないと思う (  ) (  )
3 男の子よりも女の子の言葉づかいが気になってしまう (  ) (  )
4 町内会長は、男性の方が女性よりも適していると思う (  ) (  )
5 妻が夫の家の墓に入るのは当然のことだと思う (  ) (  )
6 素直で気だてのよい女性は結婚が早いと思う (  ) (  )
7 母親は子どもが小さいうちは仕事よりも家庭を大事にする方がよいと思う (  ) (  )
8 夫を「主人」と呼ぶことは自然だと思う (  ) (  )
9 忘年会などの酒席で女性はお酌をする方が自然だと思う (  ) (  )
10 女の子には家庭の仕事を一応できるようにしつけた方がよいと思う (  ) (  )
11 最初のデートの費用は男性が持つ方がよいと思う (  ) (  )
12 学校の名簿が「男子が前、女子が後」というのは習慣だから、こだわらないでいいと思う (  ) (  )
13 夫が妻よりも収入が少ないことを、他人に知られたくないと考えるのは当然だと思う (  ) (  )
14 「女性は男性に頼り、男性は女性を守る」と、男女の仲はうまくいくと思う (  ) (  )
15 男の子が泣いているのを見ると、男の子だから泣かなければよいのにと思う (  ) (  )
16 妻が夜の会合に出席するときは家族の夕食の支度をしてから出かけた方がよいと思う (  ) (  )
合計

さて、あなたのジェンダー・チェックの結果は?

はいの数 評価
13〜16

だめだめ?!

性別に対して伝統的な考えにとらわれています。
「〜するべき」「〜らしく」 と考えたりすることが数多くあるのではないですか。
ジェンダーについての自分の考え方を根本から見つめてみましょう。
9 〜12

まだまだ?!

現代は、性別にとらわれないで生きることができるようにしなければならないといわれていることはわかっているようです。
伝統的な性別に従い生活しているのではないでしょうか。
性別にとらわれない生き方・考え方をもう少し実行してみましょう。
5 〜 8

まあまあ?!

性別にとらわれないで生きたいと思っているようです。
伝統的な性別へのこだわりがないと思いながらも時には世間が気になってしまうこともあるようです。
もっと自分らしく生きることとはどういうことか、考えてみましょう。
0 〜 4

やったね?!

性別にとらわれず、自分自身のライフスタイルに従って自分らしく生きているようです。
性別のみならず年齢や障害に対する偏見もないでしょう。
ジェンダーにとらわれない生き方で人生をエンジョイしましょう。

ジェンダー(Gender)

 人間はだれでも「男」か「女」のどちらかの「性」をもっていますが、この「性」にはセックス(Sex)とジェンダー(Gender)という2つの意味内容があります。

セックスは生まれ持った性

 「セックス」は生まれ持った「生物的・生理的・肉体的」な「性」です。すべての人間の「セックス」は戸籍に登録されることになり、死を迎えるまで「セックス」を持ち続けることになります。
 「セックス」は基本的には変えることはできません。パスポート、健康保険証には必ず記載され、生涯変えることはできません。

ジェンダーはもともと文法用語

 「ジェンダー」は「社会的・文化的・心理的」な「性」です。これは「性」を意味する文法用語です。例えば、ドイツ語の名詞は男性、女性、中性、フランス語の名詞は男性と女性に分けられています。“学校”はドイツ語でもフランス語でも女性名詞、“興味”はドイツ語で中性名詞、フランス語で女性名詞となっています。
 なぜ、“学校”が女性名詞なのでしょうか。なぜ、“興味”の「ジェンダー」はドイツ語とフランス語では違うのでしょうか。この分類には、科学的、論理的、絶対的な根拠はあるのでしょうか。このように「ジェンダー」は人間がたまたま決めたものであり、反対になっていたかもしれませんし、また「ジェンダー」を変えることもできることになります。

ジェンダーは造られた性

 「ジェンダー」とは生まれつきの「セックス」で決まっているのではありありません。家庭・家族、学校、職場、地域社会、マス・メディアの中で知らず知らずのうちに造られていきます。
 社会が考えているような「女らしさ」「男らしさ」を身につけなければならないと思いこんだり、社会が考えている男性または女性にならないと生きにくくなったり、このような社会的・心理的に造られた「ジェンダー」によって仕事や役割や行動が決められていて自分がやりたいことができなかったりします。男性でも泣きたいこともありますが、泣いたりすると「男らしくない」とか「女々しい」とかいわれたりする一方、涙を見せない女性は「女のくせにかわいげがない」といわれたりします。
 夫を「主人」、妻を「家内」ということからも、「男性は仕事、女性は家庭」という考えが示されていますが、現在は結婚していても職業をもっている女性が多くなっています。アメリカの国務長官や日本の労働省の事務次官、国連の難民高等弁務官は、既婚女性です。家事をして子どもを育てた経験があるうえに、論理的に考え決断力をもって、アメリカの外務行政、日本の労働行政、世界の難民問題解決の責任者となっているのです。これらの3人の女性は「セックス」は「女」であっても、「ジェンダー」からみるとこれまでは「男」でしか能力的にできないと考えられていた仕事をしています。

ジェンダー・フリーをめざして

 今、「ジェンダー」が問題となっているのは、このような社会的・心理的な「性」のあり方なのです。
 現代社会に通用しない「ジェンダー」を改めていこうという政策が世界にも日本でも地域でも進められています。
 「ジェンダー・フリー(ジェンダーにとらわれないこと)」の社会を実現して、一人ひとりが生き生きと自分らしく生活できるようになりましょう。

ともに生きる社会めざして

  その昔『自分』とは「男らしい自分」「女らしい自分」でした。
男らしさ、女らしさがあると信じてこれまで男が外でがんばり、女が内でそれを支えてきたのです。
しかし今、私たちがつくった「らしさの垣根」がきゅうくつに感じられてきました。
「らしさの垣根」の高さで不自由しているのは、女性も男性もです。
もうそろそろ、「男らしさ」「女らしさ」を取り払って、自分に何が残るかに、ハッとしてみませんか。
 

憲法制定50年

 日本国憲法は昭和22年5月3日に施行されてから、50年たちました。
 第24条には「家族生活における個人の尊厳と両性の平等」が掲げられています。内容は次の通りです。
 「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 
 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」
 半世紀前にすでに日本国は憲法によって男女の平等を保障していたことになります。
 しかし、現実の社会には、女性と男性の平等を阻む障害が、数多くあります。このような障害は日本のみならず、世界の各国に多かれ少なかれあるのが現実です。そこで、国連を中心に、これらを解消しようとして、世界の各国で、さまざまな政策を行っています。世界中の女性が、一人の人間として尊重され、よりよい人生を送ることができるような環境、つまり、家庭、職場、社会において自分を生かしながら、いきいきと生きることのできる環境を整えなければなりません。
 それが、女性と男性、子と親、女性同士、男性同士、高齢者と若者、障害者と健常者といった人間関係をより素晴らしいものに変えることにつながっていきます。

 

これまで、女性の就業に関連して問題となっていた「男女差別禁止の強化」と「女性の時間外労働や深夜業禁止の制限の撤廃」という労働関係法が、以下のように改正され、平成11年4月1日から施行されることになりました。

[男女雇用機会均等法]
  1. これまで「募集・採用・配置・昇進は企業の努力義務」となっていましたが、改正後は「差別の禁止」となりますので、企業は差別をできなくなります。
  2. 改正前は、男女差別を受けた場合、「調停委員会を開催するためには、労使双方の合意が必要」でしたが、今後は「一方の申請だけで開催できる」ようになります。
  3. 企業が違反し、是正勧告に従わない場合には、罰則として、違反企業が公表されるという「公表制度」が新設されました。
  4. 「セクハラ防止義務」が事業主に課せられることになりました。事業主はセクハラが起こらないようにすることが義務になりました。
[労働基準法]
  1. 改正前は「女性の時間外労働時間は年間150時間を超えない」「看護婦等の特定業務を除き、午後10時から午前5時までの深夜業を禁止する」の項目が撤廃され、改正後はすべての女性が男性と同時環境で働けるようになります。
  2. 改正によって、労働時間が増加したりすること等を防止するために、これまでの男性の時間外労働の上限の目安であった「年間360時間以内」の指針を格上げして法的根拠のあるものにするために、現在「中央労働基準審議会」において審議されています。
 
現行法 改正後
男女雇用機会均等法 募集・採用・配置・昇進 事業主が女性に均等な機会を与えるよう努力義務規定 男性との差別禁止
機会均等調停委員会の紛争調停 調停を受けるには事業主の同意が必要 女性労働者の申請だけで調停が受けられる。
制裁措置 なし 違反した事業主が是正勧告に従わない場合、労働大臣は企業名を公表できる。
セクハラの防止 なし 事業主に防止義務
労働基準法 時間外労働の上限 原則年間150時間以内 規制を廃止、労使協定による協定の目安は年360時間以内
休日労働 原則禁止。商業などは4週につき1日 規制を廃止
深夜業 看護婦などを除き、午後10時から午前5時までは原則禁止 規制を廃止
育児や介護など一定の要件に合えば免除を申請できる
平成11年4月1日施行
 男女平等という言葉は、これまで主に制度や待遇面での男女間の不平等の撤廃などを考えるときに使われてきましたが、最近では形ではなく、不平等の背景のある人、人々の「心」のあり方、すなわちジェンダーに関心が払われています。
 ジェンダー・チェックをしてみて、あなたのジェンダー・フリー度はいかがでしたか。日頃こだわりすぎていることが多いことに気づかされますね。
  • [編集]秋田市男女共生社会に関する懇話会
  • [発行]秋田市商工部労政課
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