今年のノーベル平和賞に、長年地球温暖化の問題に取り組んできたアメリカのゴア前副大統領が選ばれました。次の大統領選への出馬も取り沙汰されているゴア氏の受賞とあって、ブッシュ政権は冷ややかな反応を見せています。
「この受賞は、今、直面している(地球温暖化)問題に対する世界の意識を高めるチャンスなのです」(アル・ゴア前副大統領)
ノーベル平和賞受賞の喜びを語ったあと、ゴア前副大統領は記者の質問に答えず、会見場を後にしました。
今回の受賞で、アメリカの有権者やメディアの関心は「ゴア氏が満を持して、来年の大統領選に参戦するのではないか」という点に集まっています。
本人はこれまで否定し続けていますが、映画『不都合な真実』でのアカデミー賞に続き、ノーベル平和賞受賞となれば、民主党の候補者レースで依然トップを走るヒラリー・クリントン上院議員を脅かす存在になると、支持者の期待は高まっています。
一方、ブッシュ大統領ですが、自国の前副大統領がノーベル賞受賞という事態にもかかわらず、一切コメントをしないという冷ややかな対応ぶりが際立っていました。
それもそのはず、先月末、ワシントンで主要排出国会議を開くなど京都議定書後の枠組みで主導権を取ろうと躍起になっている大統領にとっては、ゴア氏が地球温暖化で名を売れば売るほど複雑です。
ゴア前副大統領のノーベル賞受賞は、大統領選を来年に控えたアメリカの政治に思わぬ波紋を広げています。(13日10:19)