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11日の試合で亀田大毅に何やら指示を出す父・史郎トレーナー、兄・興毅
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WBC世界フライ級タイトルマッチ(11日)で前代未聞の反則劇を演じて敗れた亀田3兄弟の次兄・大毅(18)に厳しい処分が科せられることが12日、確実となった。大毅のほか、協栄ジムの金平桂一郎会長(41)、トレーナーの父・史郎氏(42)、セコンドから反則行為を指示した疑いのある長男・興毅(20)の4人が、最悪の場合、ライセンス停止処分を受ける可能性がある。早ければ15日に行われる日本ボクシングコミッション(JBC)の倫理委員会で処分が正式決定する。
大毅の見苦しいばかりの反則行為に対し、厳罰が下される可能性が極めて高くなってきた。試合直後には大毅の反則行為を不問に付す構えを見せていたJBCだったが、一夜明けてもさらに拡大する“亀田家の暴走”に対するファンの批判で、態度を一変。度重なる亀田陣営の問題をもはや看過できず、ついにその重い腰を上げた。
詰めかけた報道陣の取材に応じた安河内剛事務局長(46)は「ビデオを取り寄せてもう1度、大毅選手の反則を検証します。生命にかかわるような行為があったら、厳重処分は当然と考えている」と明言した。15日に処罰を決定するJBC倫理委員会のメンバー5人でビデオを検証。問題があれば当日、処分を通達する見通しだ。
現時点で対象となっているのはヘッドロックにサミング(目つぶし)、すくい投げにもろ手刈りとプロレス技まがいの反則を繰り返した大毅、監督する立場の金平会長とトレーナーの史郎氏、そしてセコンドに入った興毅の4人。史郎氏は試合開始直前のリング上で内藤陣営に対し威嚇行為を行ったことが問題視された。すでに史郎氏は、観客同士によるけんかに加勢しようとした騒動や判定批判を起こしたことでJBCからライセンス停止の次に重い厳重戒告処分を科せられており、その処分期間中の“再犯”であることから厳罰を下されるのは必至だ。
興毅は11回開始直前のインターバルで大毅に対し「ひじでエエから目に入れろ」とアドバイスする音声がテレビ中継で流れ、反則を持ちかけた疑いが持ち上がっている。事実が確認された場合、処分の内容はこれまでの通例から判断し、4人とも最長で半年のライセンス停止処分が科されることになりそうだ。ライセンス停止となれば、試合を行うことができなくなる。
この日、JBCには早朝から抗議が殺到し終日、電話が鳴りやまなかった。「切腹しろ」はともかく「追放しろ!」など、ほとんどは最終回に見せた大毅の反則に対し処分を求める声だったという。夜には、協栄ジムから25日にパシフィコ横浜で予定されていた興毅の試合の中止が発表された。「対戦相手が決まらなかったため」としているが、騒動の影響は否めない。さらにライセンス停止の処分が正式決定すれば、年末恒例の亀田祭りも中止に追い込まれる可能性が高い。
安河内事務局長は「(亀田家に対し)寛容な部分があったとは思わないが、世論の声は厳粛に受け止めたい」と毅(き)然とした態度で臨むことを約束。スター街道をひた走ってきた亀田一家が、存亡の危機に立たされた。
【内藤VS大毅プレーバック】
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