新幹線、新大阪―鹿児島が直通 11年春、4時間で結ぶ2007年10月13日08時01分 九州新幹線が2011年春に全線開業するのに合わせ、JR西日本と九州は、山陽新幹線の新大阪から博多経由で鹿児島中央まで直通運転する列車を走らせることで正式に合意した。来週にも両社の社長が発表する。異なる運行条件が壁になっていたが、双方の規格に合わせた新車両を製造することで実現させる。新大阪から熊本までを約3時間、鹿児島中央までを約4時間で結び、飛行機の利用客を取り込むのが狙い。西日本の新幹線は新たな時代に入る。
九州新幹線は04年3月から新八代(熊本県八代市)―鹿児島中央間約138キロで開業し、新八代―博多間のトンネル工事も10月1日現在で約9割完成している。JR西日本、九州は06年から、山陽新幹線とつながる東海道新幹線を運行するJR東海も加えて協議を続けていた。 異なる運行条件の一つは自動列車制御装置(ATC)。75年に全線開業した山陽新幹線はアナログ信号方式なのに対し、九州新幹線はより大量の情報を送受信できるデジタル信号方式だった。また、九州の区間は山陽に比べ急勾配(こうばい)が多く、山陽の既存車両が乗り入れることはできなかった。このため両社は2方式のATCに対応した機械を搭載し、登坂性能を高めるなどした新車両を両社で製造することで合意した。指令系統の統合や運転本数は引き続き協議する。 飛行機は現在、大阪(伊丹)―熊本間を8往復、大阪―鹿児島間を11往復運航し、それぞれ1時間10分程度で結んでいる。国土交通省の年報によれば06年はそれぞれ計約35万人、約50万人が利用した。しかし、熊本や鹿児島の各空港は中心市街地から1時間前後と遠い。両社は直通新幹線が走った場合、飛行機客の多くを取り込めると見込んでいる。 レールの上では東海道新幹線ともつながり、東京―鹿児島間の直通運転も可能になる。九州選出の国会議員を中心に東京までの直通を求める声もあったが、6〜7時間かかるうえに、16両編成で運行するJR東海が「最大8両編成の九州新幹線が乗り入れると、輸送力が落ちる」などの理由で難色を示し、見送られた。
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