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2007年10月13日

 朝鮮戦争は今も終わっていないという。先の韓国と北朝鮮の首脳会談でクローズアップされたことだが、意外な事実に気づかされた

それも正式な終戦宣言をするなら当事国をいくつにするかで火花が散ったという。南が韓国と米国で、北は北朝鮮だが、「人海戦術」の名を残すほど多大な犠牲を払った中国が一時脇に置かれるムードが漂ったことで不満が出ているのである

悲惨な戦闘が休戦して何十年にもなるのだから、事実上の平和を喜べばいいようなものだが、何であろうと覇権を競わずにおれないのが国際関係なのか。厄介なものである

朝鮮戦争は海の向こうだけの話ではない。北陸にも大いに関係した。内灘試射場問題がその最大の落とし子である。反戦基地闘争の原点と言われる内灘闘争は今となれば遠い昔の話だが、朝鮮戦争が正式に終わるならば、青春時代を振り返り感慨深い人が多いに違いない

北陸各地の海岸で起きた工作員の密出入国もその一つだ。宇出津事件など七〇年代に連続した拉致事件の源流は朝鮮戦争の混乱にあった。その拉致事件の終結は今も先が見えない。感傷だけで歴史の幕は引けない。


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