|
デュオヒルズつくば竹園
企業実態反映せず 税収格差、大きな問題 地方法人2税で橋本昌知事 |
2007/10/13(土) 本紙朝刊 総合1面 A版 1頁 |
|
都市と地方の税収格差是正へ向け、地方法人二税(法人事業税・法人住民税)の配分見直し論議が本格化している。企業の事業所数や従業員数に応じた配分方法を改め、大都市に集中する税収を地方に振り向けようとするもので、橋本昌知事も「現在の配分方法は地方での企業活動の実態を反映していない」と、格差是正のポイントに挙げる。年末の二〇〇八年度税制改正での決着が注目されるが、東京都などの反発は必至。今後の駆け引きは「未曾有の危機」にある本県財政にも大きく影響しそうだ。
地方法人二税は、各企業が事業所を置く自治体に対し、事業所数や従業員数に応じて納税。このため、大都市の本社などが置かれている都市部に税収が偏り、総務省などによると人口一人当たりの同税収額(〇六年度)は最も多い東京都と長崎県では六・一倍、本県とは三・〇倍の開きがある。
このため、新たな配分方法として目下、@国が一括徴収し、各自治体に配るA自治体同士で調整する−などの案が検討されている。国の一括徴収では自治体の人口や面積などを基準とした再配分案があり、地方消費税の充実とセットでの見直しを求める意見もある。
橋本知事はこうした動きを視野に、十日の定例会見で「(地方法人二税は)東京に集まりすぎていて、企業の活動実態を反映していない。法人事業税の配分基準では製造業は従業員数とされているが、地方では従業員数は減っていても生産はどんどん盛んになり、(製造品出荷額などは)何倍も伸びている」と指摘。従業員を削減しながらも、技術革新などによって生産を活発化している企業の地方での活動実態を反映していないと批判した。
会見で知事は、地方法人二税の配分見直しを税収格差是正の「一番大きな問題」と指摘。併せて、「ふるさと納税」については「格差是正にはほとんどつながらない」として、あらためて反対する姿勢を強調した。
県税務課などによると、本県の法人二税は一九九一年度の千五百億三千万円をピークに〇二年度には七百二十億三千万円まで落ち込んだが、その後は回復基調に乗り、〇六年度は千三百三十八億九千万円まで戻した。しかし、県財政は三位一体の改革による地方交付税の大幅削減の影響で、〇八、〇九年度合わせて一千億円の財源不足が見込まれ、財政再建の正念場を迎える。
県は「産業大県」づくりへ向け企業誘致に本腰を入れており、近年の誘致地状況は全国トップクラスを維持。県内製造業の製造品出荷額も〇六年度は前年比5・6%増の十一兆四千億円と全国八位という状況で、地方での企業活動を反映するような法人二税の配分見直しが進めば、本県財政に大きく影響すると見られる。(渡辺勝)
関連記事を取得中...
|
<< トップページへ
|
今日は何の日 10/13(土) |
【誕生日】
・松嶋菜々子(女優1973) ・橋爪淳(俳優1960) ・森昌子(歌手1958) ・ジョン・ローン(俳優1952) ・大和田獏(俳優1950) ・荘村清志(1947) ・樋口久子(ゴルファー1945)
【過去の出来事】
▼2002年 シカゴマラソン男子で、高岡寿成が2時間6分16秒の日本最高で3位。 ▼1994年 「万延元年のフットボール」の作家、大江健三郎にノーベル文学賞。 ▼1936年 パリーロンドン11時間の直通列車「ナイト・フェリー」が運行開始。
【昨年の紙面から】
Null
|
|
「紙面キーワード」は、紙面で使用された“言葉”をカウントしたものです。 |
|