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「コンビニ万引殺人事件」この事件の真犯人

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 寝屋川市(大阪府)のコンビニ殺人は、今の日本社会の病理をクッキリと浮かび上がらせた。

 アルバイト店員の上内健司さん(27)を殺害したのは、19歳の工員と15歳の内装工アルバイト。缶ビール12本などを入れた買い物かご2つを持って逃げたものの、追跡した上内さんに捕まり、刃物で胸を刺した。

 犯人のひとりは「ビールが飲みたかったから」と供述したそうだが、それで人を殺すなんて考えられない。しかも、かごごとの万引は「かごダッシュ」と呼ばれ流行しているというから2度ビックリ。収入がありながらビールを盗むような連中がそこら中にいるわけだ。

 実際、深夜のコンビニを舞台にした強盗殺人は、今年6月末現在で230件も発生している。いずれ米国のように、ガラス越しにカネをやり取りする店も出てくるかもしれない。

 これが格差社会ニッポンの現実である。低賃金にあえぐ労働者は日本中にいる。ついでに言えば、上内さんのように20代後半で就職を目指しているアルバイトも多い。彼らは格差社会の“被害者”ではないか。同志社大教授の浜矩子氏(国際経済学)が言う。

「日本は純貯蓄の規模が世界最大という世界一リッチな国です。その中にいながら格差に苦しみ、貧困にあえぎ、こんな犯罪に走る人もいる。これは異常事態と受け止めるべきです」

 ところが、小泉改革の旗振り役だった竹中平蔵慶大教授は、大臣在任当時から「問題は格差でなく貧困」「金持ちを貧乏人にしても貧乏人が金持ちになるわけではない」と詭弁を弄してきた。とんでもないペテンである。

「貧困は格差から生まれるのです。もし竹中氏が本気で貧困と格差は無関係と思っているなら救いがたい。竹中氏はかつて『格差はさもしい』とも言っていました。“格差を口にするのは敗者のひがみ”との考えのようですが、政策に携わり社会的責任を負った人物の発言とは思えません。格差で振り落とされた人を救う知恵を政治が出さなければ、事態はより深刻になりますよ」(浜矩子氏=前出)

 日本社会をズタズタにした小泉―竹中コンビは、国民にどう詫びるつもりなのか。

【2007年10月9日掲載】



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